住宅取得資金やリノベ資金をしてもらう人は必読!贈与税の基礎知識

住宅取得する際に、父母や祖父母からの資金援助を受けるケースが考えられます。親族からの住宅取得のために必要な資金であっても、贈与税の課税対象となりますので、税制の基本的な仕組みを理解しておく必要があります。

贈与された資金を有効に活用するために、贈与税の基礎知識をまとめます。

住宅取得資金に不安な場合は贈与の活用を考える

住宅ローンを活用すれば支出を毎月分散することができ、また住宅ローンにかかる諸費用も一緒に借りることができますので、住宅取得時の負担を減らすことができます。しかし、借入金額が多くなり過ぎると返済に含まれる利息額も増えますので、家計への負担を考えるとできる限り減らしたいと考えるでしょう。

そこで、住宅取得資金に充てるために、親族などからの資金援助などの贈与を活用することがあります。「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」もありますが、ここではまず贈与の基本的な仕組みについて解説します。

贈与とは

贈与は、無償で財産を与えることで、与える側を贈与者、受け取る側を受贈者といいます。贈与が成立するためには受贈者の承諾も必要で、口約束でも書面による契約でも構いません。親族から資金援助を受ける際に、書面を交わす必要があるの?と思うかもしれませんが、税務署からの問い合わせに対応するために、しっかりと契約書を交わしておいた方が無難です。

贈与の種類

贈与には、単純に財産を受け取ること以外にも様々な方法があります。
・定期贈与:定期的に一定額を贈与する方法
「毎年100万円を5年間贈与する」など
・負担月贈与:受贈者に一定の義務を負わせる方法
「贈与する代わりに、介護をお願いする」など
・死因贈与:贈与者の死亡によって成立させる方法
「死んだら、今住んでいる住宅をあげる」など

単純に住宅取得のための資金援助に限らず、財産を贈与するときにはこれらの方法がありますので、状況に合わせて選ぶといいでしょう。

贈与税の基本

住宅取得時など、贈与により資金が増えると計画しやすくなります。しかし贈与した財産の額によっては贈与税が課せられますので注意が必要です。贈与税の基本をしっかり理解しておきましょう。

贈与税の課税対象となる財産とならない財産

贈与税の課税対象となる財産は、現金や不動産、株式だけではありません。保険料を支払ってもらっている保険から受け取る満期保険金や通常より安く譲り受けた財産、借金をしている人からの借金免除なども贈与財産となります。

一方、贈与税の課税対象とならない財産もあります。たとえば親や祖父母(扶養義務者)から子への生活費や教育費など通常必要な金額分は対象外です。また一般的に必要とされている程度の祝金や香典、見舞金なども対象外です。

贈与を受ける場合、まずは贈与予定の財産が課税対象なのかどうかを確認するといいでしょう。

贈与税の基礎控除額110万円

贈与税を考える場合、一般的には相続税との関係を踏まえておく必要があります。贈与税は相続税の補完的な役割をしており、相続税より税率は高くなっています。そのため税負担が重くならないよう、目的をもって贈与する必要があります。

贈与税は、贈与税の課税対象となる贈与財産の価額に対して税率を掛けて税額を求めますが、年間110万円の控除(基礎控除)をすることができます。つまり、贈与をしても年間(1月1日~12月31日)110万円以下であれば贈与税はかかりません。

ただし、毎年110万円以下の贈与をし続けると、まとめて課税されることがありますので注意が必要です。たとえば1,100万円を10年間110万円ずつ贈与した場合、ルール上は110万円以下なので贈与税はかかりませんが、場合によっては1,100万円を贈与したとして課税されることがあります。そのため、毎年、贈与ごとに契約書を作成し保管しておく必要があります。

また住宅取得資金を目的として贈与をしてもらう場合、基礎控除110万円以内の贈与額で十分であればいいのですが、まとまった金額を贈与してもらう場合には、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」を適用するといいでしょう。

贈与税の税額の計算例

基礎控除110万円を超える贈与財産を受け取った場合には贈与税を支払う必要があります。

<贈与税率>
※直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

<表を基にした計算方法>
(1) 贈与額 410万円

 410万円-110万円=300万円・・・基礎控除後の課税価格
 300万円×15%-10万円=35万円・・・贈与税額
 410万円-35万円=375万円・・・贈与税額を差し引いた贈与額

(2) 贈与額 2,000万円

 2,000万円-110万円=1,890万円・・・基礎控除後の課税価格
 1,890万円×45%-265万円=585.5万円・・・贈与税額
 2,000万円-585.5万円=1,414.5万円・・・贈与税額を差し引いた贈与額

特に(2)の場合、2,000万円贈与したにもかかわらず、使える資金は1,500万円弱と目減りしてしまいますので、住宅取得資金としては活用しにくいでしょう。

贈与税の申告と納付

基礎控除110万円を超える場合、贈与税の申告をしなければなりません。贈与税の申告書の提出期限は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までとなっています。申告と納付は同時に行いますので、贈与を受けた時点で納付額は分けておきましょう。

おわりに

税金の仕組みは難しく、どこから調べたらいいか分からなかったかもしれません。住宅取得時には様々な税金が関わってきますので、特に混乱するかもしれません。贈与税の基本についてこの記事を参考にし、必要があれば税務署に問い合わせるなどして無駄な税負担がないように進めていきましょう。

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