ハウスクリーニングは賃貸住宅の入退去時だけでなく、戸建て住宅や分譲マンションでも必要になることがあります。将来ハウスクリーニングが必要になった時に備えて、ハウスクリーニングの作用内容や費用相場を知っておきましょう。
ハウスクリーニング業者に頼める作業
ハウスクリーニングを利用すると、年月が経って落ちにくくなった汚れや手が届きにくい箇所も、隅々まで掃除してもらえます。
水回りの清掃
ハウスクリーニングでは、キッチンやお風呂、トイレといった水回り機器を清掃してもらえます。水回りは、住宅の中でも特に汚れがたまりやすい箇所です。専門の薬剤や器具を使って清掃してもらうことで、汚れを根本から除去でき、臭いや菌の繁殖も抑えられます。
室内の清掃
セルフクリーニングではまれに、相性が悪い薬剤を使ったり強い力でこすったりして、内装材を変色させたりキズを付けたりすることがあります。
ハウスクリーニングであれば、薬剤や汚れの知識が豊富なクリーニング業者の手で、壁や床などの内装材を傷めずに汚れを落としてもらえるでしょう。
手が届きにくい箇所の清掃
脚立がないと届かない天井や、洗濯機の裏側、エアコンなどの精密機械、油がこびりついたレンジフードの内部なども、プロのクリーニング業者であれば、安全かつスムーズに清掃してくれます。
特に汚れた箇所の清掃
長年放置された空き家やゴミが散乱している部屋も、ハウスクリーニングが可能です。業者によっては、清掃だけでなく家財の買い取りや遺品整理なども依頼できます。
ハウスクリーニングが必要になるケースは?
「普段から自分で掃除をするので、ハウスクリーニングは利用しない」という人でも、以下のようなケースでハウスクリーニングが必要になるかもしれません。
住宅の売却や賃貸物件の入居者募集
住宅の売却時にハウスクリーニングを行うと、購入希望者に好印象を与えられるだけでなく、クリーニング未実施の状態よりも査定価格や売却価格が高くなる可能性があります。不動産会社の中には「専属専任媒介契約(※)」を結んだ場合に限り、ハウスクリーニングを無料で実施してくれる所もあるので探してみると良いでしょう。
※…不動産売却の仲介を一社のみに任せること
また、賃貸用物件を購入して入居者を募集する場合も、ハウスクリーニングで水回りの臭いを取ったりフローリングにワックスをかけたりするだけでも、内覧希望者に好印象を与えることができます。
掃除ができない時
仕事や育児で忙しい、高齢で身体を動かすのが辛い、アレルギー体質でカビやホコリに近づけないといった理由で掃除ができない時には、ハウスクリーニングの利用を検討してみると良いでしょう。
不動産を相続した時
不動産を相続し、相続した家に住む場合や賃貸物件化する場合などには、ハウスクリーニングが行われます。
あるいは、賃貸物件に住んでいた親族が亡くなった場合に、物件所有者から原状回復のためのハウスクリーニング費用を請求されることもあるでしょう。
ハウスクリーニングの費用相場
ハウスクリーニングの費用は、1部屋あたり約3~5万円が相場です。2LDKや4LDKなど部屋数が多い場合は7~10万円になることもあります。また、戸建て住宅はマンションやアパートと違って廊下や階段など居室以外の設備が多いため、上記の費用に対し約1~2万円ほど高くなります。
なお、キッチンのみやトイレのみなど、設備単体のクリーニングを行う場合は、1設備あたり約1~3万円が相場です。
ハウスクリーニング費用が高くなるケースに注意
居住中の部屋や私物がそのまま残っている部屋は、人が住んでいない空室のクリーニング費用と比べて20%ほど高くなります。
また、以下の時期はハウスクリーニング業者が繁忙期になるため、費用がやや割高になると考えられます。
- 引っ越しシーズン(新年度が始まる4月や転勤が多い9月)
- 各家庭で大掃除が行われる年末
業者が繁忙期になると、予約も取りづらくなってしまいます。住宅の売却や引っ越しなどを控えている場合は、早めにハウスクリーニングの見積もりを取ってスケジュールに支障が出ないようにしましょう。
費用を抑えるためにハウスクリーニング業者は慎重に選ぶこと
ハウスクリーニング業者を選ぶ時は、各作業の料金をホームページなどにはっきり記載している業者を選ぶことが大切です。料金をよく確認せずに契約してしまうと、作業後に追加料金を請求されたり、希望した箇所の清掃が行われていなかったりして、業者とのトラブルに発展しかねません。
また、ハウスクリーニングは作業内容も業者ごとに異なります。「キッチンのみ」といった部位ごとの清掃を依頼できない業者や、不要になった家財の処分は行わない業者、遺品整理も同時に行ってくれる業者など、作業内容の違いは様々です。希望する作業を実施してくれる業者かどうかも、依頼前によく調べておきましょう。
まとめ
住宅で暮らしている限り、掃除は必ず行わなければなりません。引っ越しや住宅の売却などを行えば、家全体の大規模な清掃が必要です。自分一人の力では清掃が追い付かないと感じたら、ハウスクリーニングの利用を検討してみましょう。ハウスクリーニング業者を選ぶ時は、複数業者から見積もりを取り、希望する作業を行ってもらえるか、予算は妥当かなどをよく比較することがポイントです。