家はDIYでもっと楽しくなる!アメリカに学ぶセルフリフォームのすすめ

アメリカではマイホームのDIY(Do It Yourself)が日常的に行われているのに対し、日本はリフォームにまだまだ消極的です。しかし、家は最もくつろげる場所であり、住んでいる人自身がDIYで作り替えることによって、どんどん暮らしやすくなり長持ちさせることもできます。この記事では、アメリカと日本のリフォーム事情の違いを解説しながら、日本でも気軽にDIYを行うためのヒントをご紹介します。

住んでいる間リフォームされ続けるアメリカの家

アメリカでは、「自分たちの暮らしをもっと楽しくしたい」という理由で、積極的にリフォームが行われます。定期的にDIYでリフォームされるアメリカの家は、日本より長寿命というデータも出ており、中古住宅の売買も盛んです。

アメリカの家は住む人が自由にリフォームする

アメリカでは、「なんだか気分を変えたいから部屋の壁を塗り替えよう」といった具合に、ごく単純な理由で自宅のリフォームが行われます。「今度お客さんが来た時のために、使っていない部屋を寝室にリフォームしよう」「この壁が邪魔だから取り払おう」など、少しでも改善したい箇所があれば、リフォーム業者を呼ばずに自分たちでDIYする流れが一般的です。日本ではリフォームがNGとされる賃貸住宅でさえ、住む人が自由にリフォームしてしまいます。

定期的にリフォームが行われるアメリカの住宅は長寿命

丈夫なコンクリート造の建物でも、傷みや汚れを長いあいだ放置すれば長持ちはしません。リフォームが盛んなアメリカの住宅は、常に住む人の手で改修されるため、住宅の平均寿命も長くなっています。

国土交通省の統計によれば、日本で滅失(取壊しや倒壊により無くなること)した住宅の平均寿命は約30年です。それに対し、アメリカで滅失した住宅の平均寿命は約55年と、約20年以上も開きがありました。

リフォームが活発なので中古住宅の質も良い

アメリカでは住宅を購入したあと、約10年以内に住み替えるケースが目立ちます。このように短期間で家を住みかえる人が多いことも、積極的なセルフリフォームやDIYが盛んな理由のひとつと言えるでしょう。住んでいる時から少しずつリフォームを続けていれば、家の資産価値を売却時まで維持することができ、買う側も「きちんと手入れされた家だな」と感じ、たとえ築年数が古くても物件を買ってもらえる可能性が高くなります。

一方、日本は新築住宅を建ててずっと住み続けるスタイルが未だ主流です。近年、日本でも、中古住宅をリノベ・リフォームして住むスタイルが注目されていますが、「中古住宅は我慢して住むもの」「中古住宅は欠陥が多い」というネガティブなイメージはまだ残っています。ただし、日本の中古住宅すべてが欠陥だらけということではありません。購入前のインスペクション(建物診断)制度の導入や、中古住宅リノベを専門に手掛ける業者の登場などにより、中古住宅に対するネガティブな印象は、少しずつですが緩和されつつあります。

日本人がリフォームやDIYに消極的な理由

DIYによるリフォームが生活に根付いているアメリカとは対照的に、日本はどちらかと言えばリフォームそのものに消極的です。ただし、決して日本人がリフォームを嫌っている訳ではありません。「一般社団法人・住宅リフォーム推進協議会」が平成30年に実施した『住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査(第11回)』によれば、『時期は未定だがいずれリフォームを検討している』と答えた人は、回答者全体の約50%でした。家を所有している人の半数以上が、リフォームを検討していることになります。

しかし、アメリカのリフォームが「暮らしをもっと楽しくするため」に行われるのに対し、日本ではどちらかと言えば、「古い家をきれいにするために仕方なくやる」という消極的な理由でリフォームが行われています。なぜ日本人はリフォームやDIYに対して消極的になってしまうのでしょうか。

理由1:「リフォーム=壊れた箇所を修繕すること」という意識が強い

リフォームには、主に2種類の目的があります。
1. 修繕…壊れた箇所を元に戻すこと
(故障したシステムバスを交換、割れた瓦を交換、など)
2. 改善…今の状態からアップデートすること
(カウンターが広くて汚れにくい最新キッチンに交換、汚れを弾く高性能な塗料で外壁塗装、など)

日本でもアメリカでも、リフォームを行う目的のほとんどは1.の「修繕」です。しかし、アメリカの場合は、2.の「改善」も積極的に実施されています。「部屋がもう一つあったら楽しそう」、「庭にウッドデッキを置いてバーベキューをしよう」など、前向きな理由による改善のためのリフォームがアメリカでは一般的です。

それに対し、日本では「改善」のためのリフォームはあまり積極的に行われない傾向にあります。行われたとしても「壊れたドアを交換する代わりに、ドアノブをおしゃれにしよう」という具合に、リフォームのきっかけはあくまでも「修繕」であり、「改善」は予算に余裕があった時、リフォーム業者にお願いしてやってもらうという人が多いのではないでしょうか。

理由2:不満がなければわざわざリフォームする必要はない

先述の「住宅リフォーム推進協議会」の意識調査で『リフォームを考えていない』と答えた人は、その理由に『家に不満がないから』『最近リフォームを済ませたから』と答えています。

このように、日本では「現状に不満がなければ、家を無理にリフォームする必要はない」と考える人は少なくありません。

理由3:そもそも賃貸住宅なのでリフォームできない

日本の賃貸住宅は、基本的に室内のリフォームが禁じられています。賃貸住宅向けに、壁や床が傷つかないリフォームグッズも次々に登場してはいますが、敷金から補修費用が引かれることを恐れ、リフォーム自体に手を出さない方がほとんどです。

日本でも広がりを見せているDIYリフォームにチャレンジしよう

家は、定期的にリフォームと点検を行った方が圧倒的に長持ちします。であれば、アメリカのように住みながらDIYリフォームを楽しんだ方が、暮らしが何倍も楽しくなることは言うまでもありません。まだまだリフォームやDIYに馴染みが薄い日本ですが、少しずつ、DIYやセルフリフォームを行う環境が整いつつあります。

日本でもDIY用の工具や素材が揃えやすくなっている

以前に比べると、DIYは日本でも一般の人に広く親しまれるようになりました。リフォーム用の道具は非常に手に入りやすくなり、ホームセンターで業務用の電動工具や塗料などが揃うことはもちろん、グルーガンや「はんだごて」といった工具も100円ショップで販売されています。

リフォームが禁じられている賃貸住宅でも、貼って剥がせる壁紙や床材、DIY材を駆使すれば、賃貸とは思えないほど大胆なアレンジが可能です。また、現時点ではごく少数ですが、入居者が費用を負担すればDIY可能という賃貸物件も現れ始めています。

このように、家をDIYでリフォームする人が増えたことにより、海外発祥のおしゃれな壁紙や便利な工具が、国内にもどんどん輸入されるようになりました。DIY用品専門のショールームや、道具や作業スペースをレンタルできるホームセンターなども登場しています。

アメリカで人気の壁リフォームに挑戦しよう

リフォームやDIYをやってみたいと思っても、住宅一棟を丸ごとリノベーションしたり、部屋を解体したりするのは難易度が高く、高い専門スキルも必要です。いきなり大規模なリノベにチャレンジする前に、まずは生活に最も身近な「壁」のリフォームに挑戦してみてはいかがでしょうか?

アメリカの住宅は、とにかく壁使いに長けています。カラフルでおしゃれな壁紙が使われていることはもちろん、写真やポスター、オブジェを飾ったり、壁付け家具を取り付けたりして、壁をキャンバスのように自由にアレンジして楽しんでいます。

最初のうちは、マスキングテープや剥がせる壁紙でおしゃれに装飾することから始め、次に、簡単な棚の取り付け、ドア交換…のように、少しずつDIYの難易度を上げていくと、スキルアップを実感でき、DIYのモチベーションも高まるでしょう。

友達や家族と協力してDIYを進めよう

DIYを行うためには沢山の準備が必要です。道具を揃えて資材を搬入し、作業箇所の周りをビニールシートで養生し、家具を動かして…と、準備だけでも多くの労力がかかります。一人で準備、作業、片付けを繰り返していれば、ほとんどの人はDIYを面倒に感じて続けられなくなってしまうでしょう。

DIYのモチベーションを維持し、限られた時間で楽しく行う秘訣は、友達や家族と協力することです。仲間と協力すれば、準備や作業も分担でき、得意な箇所は得意な人に任せられるので、効率よくDIYが進められます。車を持っている人、建材屋さんとコネクションがある人、カラーコーディネートの知識がある人など、専門スキルを持った仲間が集まれば、自宅でできるDIYの可能性はどんどん広がって行くでしょう。

おわりに

家は建てたら終わりではなく、暮らしながらリフォームし続けることで、いつまでも住みやすさと耐久性を保つことができます。DIYで積極的に家を作り替えて行けば、毎日の暮らしは常にアップデートされ、生活は常に新鮮な気持ちで満たされるでしょう。アメリカのような「家は住む人が作り替えて行くもの」という考え方を、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?

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