「和室に押し入れがあるけど、最近使わなくなったのでリフォームしたい……」
押入れのスペースを有効活用するなら、クローゼットへのリフォームがおすすめです。
日本の住宅において布団の収納スペースとして使われる押し入れですが、ここ20~30年で布団からベッドに就寝のスタイルが移行し、押し入れよりクローゼットを求めるご家庭が多くなっています。
今回は押し入れのリフォーム事例と工事費用、注意点について解説します。
押入れとクローゼットの違い
押入れとクローゼットには、以下のような違いがあります。
目的 | 特徴 | |
押入れ | 布団などの寝具や、衣服、日用品の収納 | スペースを上下に分ける中棚がある奥行き80~90cm |
クローゼット | 衣服や日用品の収納 | ハンガーパイプがある奥行き約50cm~ |
押し入れは、布団を三つ折りにして収納できるだけのスペースが確保されています。
しかし、押し入れをそのままクローゼットとして使おうとすると、デッドスペースができてしまったり、床が収納物の重量に耐えられなかったりするのが難点です。
押し入れには中棚があるため、クローゼットのようにハンガーに洋服をかけづらく、また床には薄いベニヤ板が張ってあるのみで、収納物の重量に耐えられないというケースも少なくありません。
このような事情があることから、押し入れスペースを有効活用するために、思い切ってクローゼットへリフォームするご家庭が増えているのです。
押入れのリフォーム例と費用相場
押し入れからクローゼットへのリフォームは、以下の3種類があります。
- クローゼットへのリフォーム
- 簡易クローゼットへのリフォーム
- ウォークインクローゼットへのリフォーム
それぞれのクローゼットの特徴や費用相場を解説します。
クローゼットへのリフォーム
費用相場 | 約10~20万円 |
リフォーム内容 | ふすまを扉へ取替中棚を撤去ハンガーパイプの設置 |
押入れリフォームでもっとも選ばれているのが、シンプルなクローゼットへのリフォームです。
もともとあった押し入れのふすまを、折れ戸や開き戸、3枚引き違い戸といったクローゼット向けの扉に替え、中棚を撤去してハンガーパイプを設置、洋服をかけるためのスペースを確保します。好きな位置に収納用の棚を追加で設置することもできます。
簡易クローゼットへのリフォーム
費用相場 | 約2~6万円 |
リフォーム内容 | 中棚を撤去ハンガーパイプの設置 |
簡易クローゼットは、ふすまの部分はそのままに、中棚を撤去してハンガーパイプを設置するリフォームです。
ふすまを閉めた状態だと、見た目は押入れと変わりませんが、クローゼットと同じ使い方ができます。
扉を取り替える工事を省くため、短時間かつ低コストでリフォームを終えることができます。和室の雰囲気を変えたくない場合や、DIYで収納をプラスしたい場合にもおすすめです。
ウォークインクローゼットへのリフォーム
費用相場 | 約20~50万円 |
リフォーム内容 | 中棚を撤去ハンガーパイプの設置2~4畳分のスペースの拡張壁の解体床の補強 |
既存の押入れのスペースを拡張して、ウォークインクローゼットへリフォームするご家庭も増えています。
和室そのものを使わなくなったので、部屋ごとウォークインクローゼットにしたいという場合におすすめです。
このリフォームでは壁を解体したり、床を補強したりする工事が必要となるため、コストが高くなるだけでなく、工事期間も1週間前後かかります。工事の際にはリフォーム業者に予算や工期について相談しましょう。
押し入れをリフォームするときの注意点
押し入れをリフォームする際に気をつけるべきポイントは、「床の構造」と「結露防止対策」です。
床の補強が必要な場合がある
押入れは湿気がたまりやすく、築年数が経っている住宅は、薄いベニヤ板が張ってあるだけの床がボロボロになっている可能性があります。
「防カビシートを剥がしてみると、カビだらけだった……」というトラブルも少なくありません。
クローゼットへリフォームをする際は、床の強度や補強にかかる費用も含め、リフォーム業者によく確認しておきましょう。
断熱材で結露防止対策
日頃から締め切っていることが多い押し入れは、家の中でもとくに湿気がたまりやすく、床や壁面にカビや結露が発生している場合があります。
クローゼットへリフォームする際は、断熱材による結露防止対策も必要です。
撤去工事の際はベニヤ板を剥がして断熱材を入れ、併せてシロアリの被害がないかなども確認してもらいましょう。
まとめ
押し入れからクローゼットへのリフォームは、デザインや利便性はもちろん、湿気やカビへの対策も重要です。
せっかく理想のクローゼットにリフォームできても、大切な衣服や日用品に被害が出ては元も子もありません。
リフォームを検討する際は、デザインやコストだけでなく、断熱リフォームの実績も豊富な業者を選ぶようにしましょう。