一度は憧れる「隠れ家的空間の地下室」ですが、既存の住宅の増築・増設と異なり、地盤の状態や建築基準法の制限など、さまざまな条件があるため、工事の難易度は高くなります。今回は地下室のリフォームにかかる費用相場や、地下室のメリット・デメリットについて解説します。
地下室の増築・増設は、既存の住宅の地盤を掘って新たに個室を設けたり、パントリー(食品倉庫)やシアタールームなどの目的に合った部屋にしたりするリフォームです。
一度は憧れる「隠れ家的空間の地下室」ですが、既存の住宅の増築・増設と異なり、地盤の状態や建築基準法の制限など、さまざまな条件があるため、工事の難易度は高くなります。
今回は地下室のリフォームにかかる費用相場や、地下室のメリット・デメリットについて解説します。
地下室を増築・増設するリフォームの費用相場
地下室の増築・増設にかかる工事費用の相場は1坪あたり80万円~130万円、総額800万円~1,300万円程度がめやすとなります。
ただし、既存の住宅の下に地下室を作る場合は、立地や地盤、住宅の構造といった条件がさまざま絡み合うため、相場通りの金額になるとは限りません。
予算との兼ね合いが気になるときは、事前にリフォーム業者に相談するようにしましょう。
地下室を増築・増設するメリット
まずは、地下室を増築・増設するメリットから見ていきましょう。すぐに思いつくものであれば、地上階では増やせないような部屋やスペースを地下になら作れるといったことが挙げられます。
ほかにも、以下のような地下室ならではのメリットがあります。
外気の影響を受けにくい
地下は地上と違って外気の影響を受けにくいため、年間を通して室内の気温が安定しています。
「夏は涼しく、冬は温かい」という快適な空間で過ごせるほか、ワインセラーや食品の保存庫など、温度の影響を受けやすい飲食物の保存庫としても活用できます。
ちょっとした別荘のような感覚で過ごせるのも、大きな魅力の一つと言えるでしょう。
防音性・遮音性が高い
地下室は土とコンクリートに囲まれた空間なので、防音性・遮音性が高いという性質があります。音楽鑑賞や楽器演奏、映画鑑賞、カラオケなど趣味の部屋として、また外からの雑音を遮ってくれることから、勉強や仕事に集中できる部屋としても活用できるでしょう。
地下室を増築・増設するリフォームの注意点
地下室にはデメリットもあります。地下室の増築・増設を検討する際は、デメリットも考慮したリフォームプランを立てましょう。
地盤の状態や住宅の構造によっては施工できない場合がある
既存の建物の下に地下室を増築・増設する場合は、現地調査を行った上で施工の可否を判断します。
増築・増設する箇所の基礎部分を壊したり、建物自体をリフトアップしたりして地盤を掘る工事が必要になるため、地盤の状態や住宅の構造などによっては地下室が施工できない場合があります。
カビ・結露が発生しやすい
地下室は換気が難しいため、湿気がこもりやすいというデメリットがあります。とくに夏場の湿った温かい空気が地下室に侵入すると、温度差によって結露が発生、放っておくとカビができてしまいます。
したがって、換気や除湿の設備を取り付けたり、断熱性能つきの壁にしたりなどの工夫が必要です。
まとめ
ここまで解説したように、既存の住宅の下に地下室を増築・増設することは、立地や地盤といった条件が絡んでくるため、リフォーム自体を断られる可能性も少なくありません。
そういったケースでは、地下室が必要な理由を改めて考え直し、代替策がないか検討しましょう。たとえば、防音室や食品貯蔵庫は地下室でなくとも、既存の住宅の間取り変更など別の方法で設置することができます。
それでも、アメリカなどではごく一般的な地下室をどうしても作りたいという場合は、工事実績が豊富な業者に相談して、予算やプランをじっくり検討しましょう。