ヘリンボーン床は、床のデザインの一種です。通常のフローリングよりもおしゃれに、高級感のある空間に仕上げます。本記事では、ヘリンボーンのメリットやデメリット、フローリングをヘリンボーン床に張り替える費用について解説します。

ヘリンボーンは、フローリング床の模様の一種です。
V字形を縦横に連続させたデザインは個性的で美しく、お部屋をオシャレな空間に演出できます。
本記事では、ヘリンボーンのメリットやデメリット、フローリングをヘリンボーン床に張り替える費用について解説します。
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ヘリンボーン床の特徴
ヘリンボーン(英: herringbone)は、開きにした魚のニシン(herring)の骨(bone)の形に似ていることから名付けられました。
日本では杉の葉に見立て、杉綾(すぎあや)と呼ばれることもあります。
ヘリンボーン床は独特なデザインとクラシカルなたたずまいが高く評価されており、自宅の床に取り入れるご家庭が増えています。
また、洋間に限らず、どのようなテイストの空間とも相性が良いこともヘリンボーンの特徴です。
壁クロスやインテリアによって、お部屋の雰囲気も自由に変化させることができます。
ヘリンボーン床のメリット
ヘリンボーンは通常のフローリングと違って独特なデザインが目を引きます。
そのため、床材ながらインテリアの主役になることができます。
お部屋の床をヘリンボーンにするメリットは以下のとおりです。
高級感のある空間が作れる
床のデザインをヘリンボーンにすると、一般的なフローリングとは異なる独特な高級感の空間を作ることができます。
さらに、壁の一部をアクセントクロスにすると、お部屋全体が一つのアート作品のような仕上がりになります。
家具や壁紙だけでなく、床材にも人一倍こだわりたい人におすすめです。
どんなテイストの空間にも合わせられる
独特なデザインが特徴のヘリンボーンですが、実はどんなテイストのお部屋、インテリアにも合わせやすいというメリットがあります。
たとえば、床材の経年変化で重厚感のあるクラシカルスタイルもできれば、明るい床材で北欧風のナチュラルなスタイルを作り上げることも可能です。
床材の色や貼り方を変えることで、既存のインテリアにもマッチするデザインが追求できます。
クッションフロアやフロアタイルでも再現できる
クッションフロアやフロアタイルなど、安価な床材でもヘリンボーンは再現できます。
いずれも本物の無垢材の風合いまでは再現できないものの、一見するとフローリングに見える仕上がりになります。
耐水性や防汚性に優れ、キズもつきにくいため、キッチンやお子さんのお部屋などにおすすめです。
ヘリンボーン床に使用される床材の種類
ヘリンボーン床に使用される床材は、以下の4種類です。
・複合フローリング
・無垢フローリング
・クッションフロア
・フロアタイル
使用する床材によって見た目や性能が異なります。ここでは、床材それぞれの特徴や費用の相場をご紹介します。
複合フローリング
複数の木材を接着剤で張り合わせた合板の上に、木目調の化粧材を張りつけた床材です。
見た目の美しさは無垢材に譲りますが、自然の木に近い風合いが出せます。
施工費用も比較的安く、手入れもしやすいため、気軽に取り入れたい場合におすすめです。
無垢フローリング
天然木から切り出したままの木材を使用した床材です。
自然の風合いと踏み心地が気持ちよく、色合いが経年によって美しく変化します。
ただし、施工費用が4種類の中でもっとも高く、お手入れにも手間がかかります。
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クッションフロア
クッションフロアは塩化ビニール製でシートタイプの床材です。
専用のボンドや接着剤を使って、既存のフローリングの上から直接貼ることができます。
4種類の床材の中でもっとも安価ですが、フローリング材と比べてチープな印象になりがちです。
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フロアタイル
塩化ビニール製もしくはプラスチック製でタイルタイプの床材です。
リアルな木の質感があり、一見すると本物のフローリングと見間違うほどクオリティーの高い製品もあります。
こちらも専用のボンドや接着剤で簡単に貼ることができるため、DIYにもおすすめです。
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ヘリンボーン床の貼り方のバリエーション
ヘリンボーン床(フローリング床材の場合)の貼り方には、以下の2つのバリエーションがあります。
・ヘリンボーン張り
・フレンチヘリンボーン張り
それぞれの貼り方の特徴について解説します。
ヘリンボーン張り

角が90度の長方形をした床材を使用します。
それぞれの角をV字になるよう合わせて配置し、隙間なく床に貼っていきます。
2~3色の色の異なる床材を使ったり、大きめの床材を貼ったりすることで、お部屋全体の印象を大きく変えることが可能です。
フレンチヘリンボーン張り

フレンチヘリンボーン貼りは、平行四辺形をした床材を使用します。
基本的な貼り方はヘリンボーン張りと同じですが、床材同士を合わせた部分が直角になるため、シャープな印象になります。
また全て張り合わせたときに、美しい直線が浮き出るところもフレンチヘリンボーン張りの大きな特長です。
フローリングをヘリンボーン床に張り替える費用
一般的な定尺のフローリングをヘリンボーンの床に張り替える費用は、1㎡あたり1万円~1万5,000円が相場です。
8畳(約15㎡)の場合は費用20万円からがおおよその相場で、これは定尺フローリングの約2倍の費用がかかります。
ただし、既存のフローリングの上から新しい床材を張り上げる「カバー工法」なら、1㎡あたり1万円~1万2,000円に抑えられます。
既存の床材が畳の場合はさらに費用がかかるため、リフォーム業者に見積もりを依頼しましょう。
ヘリンボーン床の注意点
空間に高級感や重厚感をもたらすヘリンボーン床ですが、以下のような注意点もあります。
場所によっては空間が狭く感じる
ヘリンボーン床はそれだけで存在感があるために、空間に圧迫感が出てしまう可能性があります。
とくに狭い空間に色味の濃い床材を使ってヘリンボーン床にすると、さらに狭く見えてしまいます。
ヘリンボーン床はリビングやダイニングなど、スペースの広いお部屋に施工するのがおすすめです。
どうしても狭い空間をヘリンボーン床にしたい場合は、色味の淡い床材を使うと良いでしょう。
工事費用が高く工期も長い
前述したように、ヘリンボーン床は一般的な定尺のフローリング床に比べ、2倍程度の工事費用がかかります。
高級な無垢材などでヘリンボーン床を張り上げる場合は、予算内に収まらないこともあります。
さらに、特殊な床材の貼り方をするため、工期が長くなることも避けられません。
8畳の部屋を定尺フローリングに張り替える場合で2~3日とすると、ヘリンボーン床は1週間程度の工期がかかります。
ヘリンボーン床を長持ちさせるお手入れ方法
一般的なフローリングよりも費用の高いヘリンボーン床だからこそ、施工後は長持ちさせたいものです。
日常のお手入れは、床用ワイパーや乾いた柔らかい布で乾拭きが基本です。
水拭きは床材の変形や傷み、塗装剥がれを招く原因となるため避けましょう。
水や調味料などをこぼしてしまった場合でも、素早く乾拭きで拭き取ります。
乾拭きで汚れが落ちない場合は、かたく絞った雑巾に中性洗剤を染み込ませ、仕上げに乾拭きをして水気を残さないようにしましょう。

まとめ
独特なデザインが特徴のヘリンボーン床について、メリット・注意点や施工費用を解説しました。
monocle(モノクラ)では、人気のヘリンボーン床の施工事例を画像つきで紹介しています。
既存の床をヘリンボーン床にリフォームしたい方は、ぜひご参考になさってください。