サイディングはモルタルやタイルに比べて費用が安く、種類やデザインも豊富です。また日本の住宅の外壁材シェア7割以上をサイディングが占めるほど、非常に高い人気があります。今回は4種類のサイディングそれぞれの特徴や費用について解説します。

現在、日本の住宅の外壁材は「サイディング」がもっとも高いシェア率を占めています。
サイディングには窯業系や金属系など4つの種類があり、それぞれ特徴や施工費用などが異なります。
今回は4種類のサイディングのメリット・デメリットや費用について解説します。
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4種類のサイディング比較表
サイディングは材質の違いにより、以下の4種類に分けられます。
・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・樹脂系サイディング
・木質系サイディング
各サイディングの費用、耐用年数を以下の表にまとめました。
サイディングの種類 | 費用(1平米あたり) | 耐用年数 |
窯業系サイディング | 4,200~5,200円 | 20~30年 |
金属系サイディング | 4,300~5,300円 | 20~30年 |
樹脂系サイディング | 5,200~8,000円 | 25~30年 |
木質系サイディング | 4,300~9,000円 | 15~30年 |
それぞれのサイディングのメリットやデメリットについて、次章より詳しく解説します。
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窯業系サイディング

費用 | 4,200~5,200円/㎡ |
耐用年数 | 20~30年 |
メンテナンス周期 | 7~8年 |
窯業系サイディングはセメントと繊維質を材料として、板状に成形された外壁材です。
日本の住宅の外壁材として人気が高く、サイディングの中ではシェアナンバーワンを誇ります。
メリット
窯業系サイディングのメリットは以下のとおりです。
・デザインが豊富
・初期費用が安く導入しやすい
・耐火性に優れる
<デザインが豊富>
窯業系サイディングは木目や石目、タイル調などデザインのバリエーションが豊富です。
好みに合わせて柄が選べるため、実現したいお家の雰囲気に合わせた外壁に仕上げることができます。
<初期費用が安く導入しやすい>
窯業系サイディングは他の外壁材と比べて初期費用が安く、導入しやすい点もメリットです。
サイディングボードが工場で大量生産されており、また施工が簡単なため人件費が安く済むからです。
一般的な30坪の戸建て住宅であれば、150万円~230万円でリフォームできます。
<耐火性に優れる>
窯業サイディングは耐火性に優れる外壁材です。
不燃または準不燃材料であり、各メーカーの製品が45分準耐火構造および1時間準耐火構造の国土交通大臣認定を取得しています。
デメリット
窯業系サイディングには以下に挙げるデメリットもあります。
・メンテナンス頻度が高い
・熱がこもりやすい
<メンテナンス頻度が高い>
サイディングボードどうしの継ぎ目をつなぐシーリングは7~10年で劣化するため、打ち直しのメンテナンスが必要です。
また外壁材そのものに防水性がないため、10年に1回の頻度で塗料の塗替えを行う必要があります。
<熱がこもりやすい>
窯業系サイディングの原材料であるセメントは、熱を吸収しやすい性質を持っています。
そのため夏場は室内に熱がこもりやすく、冷房の光熱費が高くなるというデメリットがあります。
金属系サイディング

費用 | 4,200~5,200円/㎡ |
耐用年数 | 20~30年 |
メンテナンス周期 | 7~8年 |
金属系サイディングは、アルミニウム合金やガルバリウム鋼板といった金属を成形した外壁材です。
金属の外壁は無機質で冷たい印象を持たれがちですが、最近では技術の進歩によりデザインも豊富にあります。
メリット
金属系サイディングのメリットは以下のとおりです。
・断熱効果に優れる
・軽量のため地震に強い
・施工性が高く工事費用が抑えられる
<断熱効果に優れる>
熱を保持しやすい金属の性質を活かし、断熱性が高いというメリットがあります。
夏場や冬場でも室内の温度を一定に保つことができるため、省エネや光熱費の節約ができます。
<軽量のため地震に強い>
金属系サイディングは他の外壁材に比べて軽量のため、住宅への負担が少なくて済みます。
地震の揺れによるダメージを軽減し、建物の倒壊やひび割れなどのリスクから守ります。
<施工性が高く工事費用が抑えられる>
金属系サイディングは軽量のため、施工しやすい点もメリットです。
既存の金属系サイディングの上から新たな金属系サイディングを重ね張りすると、工事費用が抑えられ、工期も短くて済みます。
デメリット
金属系サイディングには以下に挙げるデメリットもあります。
・錆びやすい
・強い衝撃で変形してしまう
<錆びやすい>
金属であるため、外壁のキズから雨水等が侵入すると錆びてしまいます。
また沿岸部など海の近くにお住まいの方は、塩害にも注意が必要です。
アルミニウム合金はガルバリウム鋼板よりもサビに強い反面、本体価格や施工費は高くなります。
<強い衝撃で変形してしまう>
耐久性に強い金属でも、衝撃が加われば変形してしまいます。
ただし強い衝撃を受けるとひび割れてしまう窯業系サイディングに比べ、変形するだけで済む点は、金属系サイディングのメリットとも捉えられます。
樹脂系サイディング

費用 | 5,200~8,000円/㎡ |
耐用年数 | 25~30年 |
メンテナンス周期 | メンテナンスフリー |
樹脂系サイディングは塩化ビニル樹脂を主原料とする外壁材です。
日本ではまだまだ認知度の低い外壁材ですが、北米では50年以上にわたって50%以上の高いシェアを占めています。
メリット
樹脂系サイディングのメリットは以下のとおりです。
・メンテナンスフリーである
・防水性・撥水性に優れる
・軽量のため地震に強い
<メンテナンスフリーである>
樹脂系サイディングはメンテナンスがほぼ不要なメンテナンスフリーです。
表面の汚れやコケなども、水で洗浄するだけできれいに落とすことができます。
また原材料自体に着色してあるため色落ちがなく、再塗装の必要がありません。
<防水性・撥水性に優れる>
樹脂系サイディングの原材料である塩化ビニル樹脂は、防水性・撥水性に優れる素材です。
雨水の侵入を防ぐため、雨漏りや腐食などの心配がありません。
<軽量のため地震に強い>
樹脂系サイディングは、窯業系サイディングの約1/10の重さです。
非常に軽量なため建物への負担が少なく、重ね張りリフォームでも耐震性が落ちません。
デメリット
樹脂系サイディングには以下に挙げるデメリットもあります。
・色やデザインの種類が少ない
・施工できる業者が少ない
<色やデザインの種類が少ない>
他の外壁材に比べると、樹脂系サイディングは色やデザインの種類が少なめです。
色やデザインにこだわりたい場合は、窯業系サイディングや金属系サイディングを選びましょう。
<施工できる業者が少ない>
樹脂系サイディングは日本での認知度が低いため、施工できる業者も限られます。
さらに施工難易度も高いため、窯業系サイディングや金属系サイディングに比べて施工費用が割高です。
木質系サイディング

費用 | 4,300~9,000円/㎡ |
耐用年数 | 15~30年 |
メンテナンス周期 | 8~12年 |
木質系サイディングは天然木を材料とする薄い板状の外壁材です。
天然木ならではのぬくもりや独自性のある木目が人気で、おしゃれな外壁に仕上げたい場合におすすめです。
メリット
木質系サイディングのメリットは以下のとおりです。
・天然木ならではのぬくもりがある
・断熱性に優れる
<天然木ならではのぬくもりがある>
窯業系サイディングや金属系サイディングでも木目調のデザインに仕上げられますが、どうしても人工的な質感は拭えません。
木質系サイディングには天然木ならではのぬくもりがあります。
また経年によって色合いが変化していく経年変化も魅力です。
<断熱性に優れる>
木質系サイディングは熱を吸収しにくく、断熱性に優れる外壁材です。
夏場でも室内の温度を一定に保つことができるため、快適に過ごすことができ、光熱費の節約にもなります。
デメリット
木質系サイディングには以下に挙げるデメリットもあります。
・費用が高い
・耐久性が低い
・施工できる業者が少ない
<費用が高い>
天然木を使用する木質系サイディングは、窯業系サイディングや金属系サイディングに比べて費用が高めです。
木質系サイディングの天然木ならではのデザインは大いに魅力ですが、コストを抑えて外壁をリフォームしたい場合にはあまりおすすめできません。
<耐久性が低い>
木質系サイディングの原材料である天然木は水に弱く、他の外壁材よりもメンテナンスの期間が短めです。
メンテナンスを怠ると、表面にカビやコケが発生して見た目が悪くなってしまいます。
また火にも弱いため、家の防火性を高めたい場合は窯業系サイディングや金属系サイディングを検討しましょう。
<施工できる業者が少ない>
木質系サイディングは施工難易度が高く、取り扱いには高い技術力が求められます。
そのため施工できる業者が限られ、施工費用も他の外壁材に比べて割高です。
まとめ
4種類のサイディングのメリット・デメリットについて解説しました。
一口にサイディングと言っても、材質によって選ぶべき施工業者が異なります。
張り替えリフォームを検討する際は、それぞれのサイディングの特徴を知り、実績が豊富な業者に見積もりを依頼しましょう。
monocla(モノクラ)では、サイディングをはじめとする外壁リフォームの実績を画像付きで紹介しています。
外壁リフォームをご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。