「施工管理」を重視しているかどうかは、リフォーム業者選びにおいて最も重要なポイントといっても過言ではありません。ご自宅で行うリフォームを成功させるためにも、「施工管理」の役割や目的、リフォームとの関係性などを知っておきましょう。
リフォームで重要な「施工管理」の役割
施工管理とは、現場のスケジュールや予算、作業員などを取りまとめ、安全かつ目的通りに工事が行われるよう管理することです。
施工管理で行われる「4つの管理」
施工管理には「4つの管理」があります。
- 品質管理…施工品質が法律や自治体の条例を満たしているか、施工ミスがないか
- 安全管理…現場で作業員の怪我や事故が起きないよう安全性に配慮できているか、安全設備は設置されているか
- 原価管理…予算内で工事を行えているか、人件費や部材費などをオーバーさせずに品質を維持できているか
- 工程管理…工事スケジュールに遅れが出ていないか、職人の作業が手順通りに進んでいるか
- 「簡単な現場だから下請けの職人さんたちに任せれば大丈夫だろう」
- 「小さな現場だし、安全性は特に配慮しなくていいや」
- 「総費用が安い工事だから、ちょっと高い部材になっても大丈夫」
- 予定変更が多かったけど、連絡をまめにしてくれたので困ることはなかった
- 施工管理の人がいつも現場に来て作業を確認してくれた
- 説明がわかりやすく、職人さんに私たちの希望を伝えてくれた
いずれも、安全かつ高品質なリフォームを行うためには欠かせない要素です。
指示と連絡も施工管理の重要な仕事
リフォームの現場では、工事の元請け会社だけでなく、様々な下請け業者も出入りします。足場の設置業者や左官業者、設備業者、大工といった、複数の下請け業者に指示を出し、各職人同士で連携させることも施工管理者の努めです。
さらに、依頼主と職人の意思疎通を行うことも施工管理の重要な仕事と言えるでしょう。依頼主に対しては、リフォームに詳しくない人でも理解できるよう、専門知識をかみ砕いて職人の作業内容を説明します。また、職人の作業内容やマナーについて依頼主が疑問に感じた場合は、施工管理者が代わりに職人へ伝えることもあります。
リフォームの現場で発生する施工管理
リフォームの施工管理では、「リフォームしない箇所の品質を損ねないこと」も施工管理に含まれます。例えば、壊してはいけない柱を撤去して建物の耐久性を低下させたり、頼んでいない箇所まで工事の都合で勝手に手を加えたりすることは、リフォームの現場では起きてはならないミスです。
また、人が住んでいる家でリフォームを行う場合は、住んでいる人に迷惑をかけないよう配慮しなければなりません。もしリフォームの影響で水道が止まったり、浴室の工事が遅れてお風呂に入れなかったりすると、依頼主の生活に多大な迷惑をかけることになります。既に人が暮らしている家で行うリフォームほど、より確実な施工管理が求められます。
施工管理を大切にしている会社を選ぶべき理由
施工管理の大切さを理解しているリフォーム会社を選ぶことには、以下のようなメリットがあります。
徹底した施工管理がリフォーム後の安心に繋がる
施工管理を徹底することは、リフォーム後に不具合が起きる確率を下げることにも繫がります。施工管理を重視する会社ほど、リフォームが終わった後のことも見据えて行動していますので、アフターフォロー体制も完備していると考えられるでしょう。
工程や原価を守るために最善を尽くしてくれる
施工管理は、リフォーム会社側が利益やスケジュールを守るためだけに行われているのではありません。リフォーム会社が施工管理を徹底することは、依頼主側にも大きなメリットがあります。
工程管理をしっかり行ってくれるリフォーム会社であれば、打ち合わせ通りのスケジュールで工事が終わり、職人の人件費が増えて追加費用が発生するリスクも低くなります。また、施工管理担当者が何度も現場に足を運んで、作業の品質を都度チェックしていれば、手抜きや施工ミスを防げるだけでなく、「最初に下地のモルタルを塗った時点で気づいていれば、塗装を塗る前にヒビを補修できたのに」といった、後からでは取返しの付かないような施工ミスも初期のうちに補修できます。
小規模のリフォームでも手を抜こうとしない
施工管理はリフォームの規模に関係なく、どの現場でも常に最善を尽くさなければなりません。
もし自宅のリフォームを行う会社が、以下のような考えを持っていたらどう感じるでしょうか。
こんな考えのリフォーム会社には、大切な家のリフォームを任せたいとは思えませんよね。リフォームの現場では、小さな油断やミスが原因で、人命や財産を失う事故が起きています。施工管理を重視している会社であれば、どんな小さな現場であろうと、安全性や品質、価格を必ずチェックしてくれます。
施工管理を重視している会社か見極める方法
以下からは、施工管理を重視しているリフォーム会社を選ぶ方法を2つご紹介します。
「施工管理技士」が在籍している
施工管理に関する国家資格としては、「施工管理技士」があります。施工管理の実務自体は無資格でも行えますが、施工管理技士を取得するためには、取得する級数や学歴に応じた実務経験が必要ですので、施工管理の実績を判断する材料としては申し分ないと言えます。
もっとも、リフォームが実際に始まるまでは、担当者の人柄を完全に理解することは難しいものです。しかし、複数の業者をリサーチする段階であれば、資格の有無は非常に有力な情報となるでしょう。
リフォームをした人から施工管理に対する感想を聞く
依頼を検討しているリフォーム会社で過去にリフォームを行った人がいれば、工事中の感想を聞いてみるのも効果的です。施工管理の質を調べる場合は、以下のような感想を参考にすると良いでしょう。
施工管理が良いことを伺える感想の例
など
おわりに
施工管理は、普段の生活ではあまり耳にしない言葉かもしれません。しかし、安全かつ高品質なリフォームを行うためには、施工管理は絶対に欠かせない業務です。現場の規模に関わらず、施工管理を常に徹底してくれるリフォーム業者を選んで、リフォーム中もリフォーム後も快適に過ごせるようにしましょう。
