システムバスは、毎日常に水に晒されるため劣化も早く、多くの人が一度はリフォームを行う箇所です。そんなシステムバスは多くのメーカーから販売されているため、リフォームしようと思っても、どのメーカーの商品を買えばいいのか悩んでしまいます。そこでこの記事では、6つのメーカー別にシステムバスの特徴を比較しました。システムバスを選ぶ時の注意点も併せて紹介していますので、お風呂リフォームに是非お役立てください。
システムバスメーカーは主に6社
システムバスを販売しているメーカーは沢山ありますが、国内の浴室リフォームでは、主に以下6社の商品が選ばれています。
- パナソニック
- リクシル
- TOTO
- タカラスタンダード
- クリナップ
- トクラス
パナソニック
パナソニックは、水回り機器を始めとする様々な住宅機器を販売しています。日本住宅に馴染みやすいデザインが特徴で、掃除のしやすさや入浴時の快適さがシステムバスの随所に取り入れられています。
リクシル
屋内・屋外問わず様々な住宅設備や建材を取り扱うリクシルでは、システムバスでも、高級感を追究したタイプから手が届きやすいお手頃価格のタイプまで、幅広いラインナップが用意されています。
TOTO
TOTOは、トイレや洗面台といった水回り設備の老舗メーカーです。システムバスには、水の流れや性質を巧みに利用した機能が搭載されています。
タカラスタンダード
耐久性が高く錆びにくいホーロー製の水回り機器で知られるタカラスタンダードでは、オーダーメイドで形を指定できる「ぴったりサイズシステムバス」を選ぶことができます。構造上システムバスが設置できない家でも、浴室リフォームが可能です。
クリナップ
キッチン開発に長年力を入れているクリナップでは、キッチンの研究で培った「家事の手間」を省くアイデアがシステムバスにも取り入れられています。
トクラス
トクラスは、キッチン・システムバス・洗面台を取り扱うメーカーです。2013年に、旧社名の「ヤマハリビングテック」から現在のトクラスに社名が変更されました。
メーカー比較の前に確認すべきシステムバスの注意点2つ
メーカーを比較する前に、システムバスを選ぶ時の注意点を2つ知っておきましょう。
同じグレードの商品を比較すること
ほとんどのメーカーでは、システムバス商品にグレードの違いがあります。選んだグレードによって、お風呂に追加できるオプション機能やリフォーム価格が大きく変わりますので、商品を比較する時はグレードの違いを必ず確認しておきましょう。
以下に挙げるグレードは一例であり、メーカーによってグレード展開は若干異なりますが、基本的には、以下3つのうちいずれかに当てはまるグレードが用意されています。
グレード | 特徴 |
---|---|
スタンダード(一般) | システムバスとして最低限必要な、基本的な機能が備わっているグレード。50万円前後で買える安価な商品が多い。 |
ミドル(中間) | 基本的な機能に加えて、使いやすさも追加されたグレード。50〜70万円程度で購入できるが、オプションを追加するとリフォーム費用が100万円を超えることもある。 |
ハイ(高級) | 基本的な機能や使いやすさに加えて、上質感も備えたグレード。スタンダードやミドルでは選べない特殊なオプション機能も追加できる。価格帯は80〜100万円と高く、リフォーム費用が200万円を上回ることもある。 |
設置条件に合う商品を選ぶこと
システムバスをリフォームする時は、最初に、ご自宅のお風呂に設置できる商品かどうかを確認しておく必要があります。システムバスは、規格に沿って工場で生産されたパーツを、現地で組み立てて設置する商品です。既存の浴室スペースに部材が収まらない場合は、組み立てることができずリフォームが行えません。
さらに、既存のお風呂が特殊な条件下で設置されている場合は、システムバスメーカーの選択肢が限られるため注意が必要です。建物によっては、梁や柱、屋根の形状といった構造部が邪魔をして、システムバスを取り付けられないことがあります。このような場合は、構造部の出っ張りに沿って壁や天井の形をオーダーメイドできるシステムバスを設置することになります。
リフォーム業者に既存のお風呂を下見してもらい、設置可能な商品を選んでもらうと良いでしょう。
システムバスメーカー6社を特徴別に比較
以下からは、6つのシステムバスメーカーについて、次の3項目ごとに比較します。
1.デザイン
2.掃除のしやすさ
3.特徴的な機能
デザイン
日々の疲れをゆっくり癒すお風呂は、家の中でも特にデザインをこだわりたい空間です。「毎日使っても飽きの来ないデザインにしたい」、「ホテルのようなラグジュアリーな空間を作りたい」「半身浴をしても疲れないデザインにしたい」など、求めるお風呂のイメージに応じて、メーカーごとのカスタマイズ性を比較してみると良いでしょう。また、デザインを比較する時は、カタログやホームページ上の写真だけなく、ショールームで実物の色味や手触りを確認することも大切です。
メーカー | デザインの特徴 |
---|---|
パナソニック | デザイン性が高く、石材調や木目調などの壁材が選べる。壁材だけでなく、浴槽や照明なども自由に組み合わせて、浴室全体のトータルコーディネートが楽しめる。 |
リクシル | 高級ホテルのようなラグジュアリー感のある「スパージュ」シリーズから、オーソドックスな「アライズ」まで、多様なデザインの中からシステムバスを選べる。 |
TOTO | シンプルなカラーとデザインから選べる「サザナ」や、間接照明やシックなデザインが楽しめる「シンラ」などがある。浴槽タイプが豊富で、入浴時の姿勢に負担を掛けない「クレイドル型」やスタイリッシュな「スクエア型」、節水に配慮した「ラウンド型」などが選べる。 |
タカラスタンダード | 明るいナチュラル系、白と黒のコントラストがおしゃれなモダン系、爽やかなグリーン系など多様な選択肢がある。上位モデルの「プレデンシアプレミアム」では「クォーツストーン」という天然石風の素材をカウンター材に選ぶことができる。 |
クリナップ | スタンダードグレードの「ユアシス」、ハイグレードの「アクリアバス」ともに、壁・浴槽・フロア・カウンターのカラーをカスタマイズできる。「アクリアバス」ではより細かい部分までカラーを選ぶことができ、オプションで鏡面仕上げや石目調の素材にすることもできる |
トクラス | 視覚効果や人工工学をデザインに取り入れているため、他メーカーのシステムバスに比べると、浴槽やカウンターの形状が個性的。モノトーン系からナチュラル系まで幅広いカラーリングが選べる |
掃除のしやすさ
常に水に晒されるお風呂は、カビやぬめりなどの汚れが溜まりやすく、掃除が欠かせない箇所です。掃除が簡単なお風呂なら、家事のストレスも大きく軽減されます。どのメーカーのシステムバスも、汚れにくくお手入れしやすい工夫が取り入れられていますので、今お風呂掃除で困っていることや改善したい部分を想像しながら機能を比較してみましょう。
メーカー | 掃除しやすさの特徴 |
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パナソニック | 有機ガラス系の「スゴピカ素材」が使われた浴槽・カウンター・水栓部分・フロアは、水垢が付着しにくい滑らかさと撥水性を持つため、掃除の負担を軽減することができる。 |
リクシル | お風呂汚れの大半を占める皮脂汚れを付着させにくい「キレイサーモフロア」や、パッキンがなく汚れを溜めにくい「キレイドア」など、掃除の原因となる汚れを根本から防ぐ機能が豊富。 |
TOTO | 高い撥水・除菌効果を持つパーツが豊富。特殊な設計と素材で瞬時に水をはじく「ほっカラリ床」は、入浴中も入浴後も清潔なお風呂を保つことができる。 |
タカラスタンダード | ガラス質で湿気や菌に強い「ホーロー」が、浴室壁パネルや浴槽に使われている。皮脂汚れなど油性の汚れも付着しにくいため、洗剤を[を、をとなってるので文章の修正をお願いします。][「を」の繰り返しを修正しました]使わずにほとんどの汚れを落とすことができる。 |
クリナップ | カビが根付きにくい「クリンパッキン」が標準仕様。汚れが付きにくく髪の毛も絡まりにくいステンレスの「クリンヘアキャッチャー」や、パッキンなしの浴室ドアなど、汚れを溜めない設計によって家事の手間を減らすことができる。 |
トクラス | 汚れが溜まりやすい浴槽と壁の目地部分が、汚れにくい形状に設計されている。ぬめりやカビを抑える抗菌や撥水機能を、浴槽、排水口、フロアすべてに搭載。 |
特徴的な機能
システムバスの基本的な性能は、選んだメーカーによる大きな違いはありません。そこで以下の表では、各メーカーならではの特徴的な機能をピックアップしました。
おわりに
システムバスは様々なメーカーから沢山の商品が販売されていますが、どの商品が良いかはリフォームする家によって異なります。「最低限の機能で良いので低価格のグレードにしたい」「せっかくのリフォームなので、高級感のあるお風呂にしたい」「保温性が高いお風呂にしたい」など、お風呂リフォームの目的を明確にして、最も条件に合う商品を見つけましょう。
メーカー | 特徴的な機能 |
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パナソニック | ミクロサイズの泡を浴槽に発生させ、入浴後の保湿効果と保温効果を高める「酸素美泡湯」機能を追加できる。(水圧で背中や腰を刺激する「ジェットバス」とは異なる機能) |
リクシル | 浴槽から流れる肩湯、温泉のような打たせ湯、天井に取り付けられたバーから出たお湯が身体全体に当たる「オーバーヘッドシャワー」など、バスタイムを楽しむための機能が充実している。 |
TOTO | 「床ワイパー洗浄」は、スイッチを押すと水を浴室全体に散布し、仕上げに除菌効果を持つ「きれい除菌水」を散布して除菌まで行える。「きれい除菌水」は水道水を電気分解して作られるため、薬剤が含まれず人体にも安全。 |
タカラスタンダード | 浴室に梁や柱が出っ張っていても、オーダーメイドで設計できる「ぴったりサイズシステムバス」が人気。サイズは2.5cm刻みで指定できるため、システムバスが設置できない在来工法のお風呂でもリフォームが行える。 |
クリナップ | 天井・フロア・パネルの断熱構造が標準仕様。保温性の高い浴室と、保温材で包まれた浴槽によって、長時間の入浴でも温かさが持続する。 |
トクラス | カウンター周辺のスペースが940mmと非常に広いため、洗い場でものびのびと手を動かせる。システムバスでは後付けが難しい握りバーが後付けできるため、将来的なバリアフリー化にも対応。 |