「使いやすい間取りに変えたい」「雰囲気をがらりと変えて暮らしたい」など、リノベーションを検討するきっかけはさまざまです。建て替えよりもコストを押さえながら住宅を作り変えることができるリノベーションは、住み心地のよさを実現させるための効果的な方法です。
希望するリノベーションの内容の中で比較的多いのが、和室を洋室に変える工事です。使い方が大きく異なるため、メリットとデメリットをよく理解した上で進めることが重要です。今回は、和室から洋室に変えるリノベーション術の極意についてご紹介します。
和室と洋室のメリット・デメリット
和室と洋室とでは、使い方やイメージ、メンテナンスなどの面で様々な違いがあります。和室から洋室に作り変えることを検討する際には、それぞれのメリットとデメリットを把握しておく必要があります。
和室
和室は基本的に床座の生活スタイルですから、座ったり寝転んだりと好きな過ごし方ができるのがメリットです。畳や障子、襖といった自然素材で構成されているため、室内の湿度を自然に調整できます。その反面、定期的なお手入れが必要な自然素材を多用しているため、こまめにメンテナンスをしなければいけません。傷みやすい素材でもあるので、丁寧に使用することが求められます。
洋室
洋室は基本的に椅子座の生活スタイルで、作業したり休んだりする際の立ち座りの動きをしやすいのがメリットです。さまざまなデザインの家具をコーディネートできるため、インテリアの好みを反映しやすい点も嬉しいですね。その反面、フローリングやタイルなど洋室に使用する建材は防音性や断熱性が低いため、音が響きやすく適切な冷暖房設備を設置しないと快適性が下がります。
和室から洋室にリノベーションするメリット
それぞれにメリットもデメリットもある和室と洋室。どちらがいいというのではなく、どちらが過ごしやすいのかは家族によって違いますから、和室よりも洋室の方が過ごしやすいというのであればリノベーションで対応できます。では、和室から洋室にするメリットにはどういったものがあるのでしょうか。
隣接したスペースが広くなる
リノベーション予定の和室がリビングの一角にある場合は、和室を洋室にすることでリビングに取り込むことができます。間仕切壁を取り除きフローリングやタイルなど同じ床材で仕上げれば、広々とした大きな空間が出来上がります。開放感や明るさがぐんとアップするでしょう。
家具のレイアウトがしやすい
和室は床の間や押し入れといったしつらえがあるため、家具を置くスペースが限られます。ごろんと寝転がって過ごすという使い方を重視していた場合は、家具をいろいろ置くことはできません。洋室だと椅子座スタイルなので、床座の和室よりも動作に必要なスペースが少なめ。その分置ける家具の数も増えます。また、しつらえのルールがなく一つの大きな空間がどんとある感じですから、家具のレイアウトがしやすいと言えるでしょう。
内装材が傷みにくい
和室を構成する畳や障子、襖、塗り壁などは自然素材を使っています。自然素材は水分や有機物を含んでいますので、湿気や汚れが多い状態だと傷みが早いです。カビが生えたり、ダニが発生したり、それらの影響で黒ずみや黄ばみといった見映えの変化も大きいでしょう。洋室の場合はフローリングやタイル、壁紙などを使いますが、防カビ性や防汚性、消臭効果など劣化しにくい機能がついている商品が多いです。お手入れが楽な上に、経年劣化による変化もゆるやかです。
和室から洋室に変えるリノベーションでこう変わる
和室から洋室にするということは、そのスペースの使い方が大きく変わることを意味します。床座から椅子座になるので使う家具の種類が変わり、配置が自由にできるようになります。椅子やベッドなどを置きやすくなり、床の段差もなくなるため、介護はしやすくなるでしょう。
また、インテリアも大きく変わります。和室だと和風や和モダン・アジアンなど選べるインテリアのテイストが限られていますが、洋室になるとシンプルモダンや西海岸・フレンチ・アンティーク・ナチュラルなど選択の幅が増えます。デザイン性にこだわった家具を選びやすくなって、コーディネートの楽しみが増えるでしょう。
さらに室内の雰囲気を左右する照明プランも選択肢が広がります。間接照明を入れて壁面を照らしギャラリーのような演出をしたり、スポットライトを天井に設置してスタイリッシュな空間にしたり、ガラスを多用したシャンデリアやペンダントライトを設置してホテルのラウンジのような雰囲気にしたりといろんなプランが楽しめるでしょう。
まとめ
使いやすさが高まりインテリアの好みを反映しやすくなるのが、和室から洋室にするリノベーションのよさです。居住性と機能性、デザイン性がほどよいバランスになるよう、工夫しながらリノベーションを進めてみてくださいね。
