地震に備えて強い家にするためのリノベーション

地震大国である日本に住んでいる限り、地震が起きやすいと言われている地域があるものの、ほぼ全国どこに住んでいても地震に遭う危険性があります。新築で住宅を建てる際は、建築基準法の耐震基準にもとづいて設計されますが、築年数が経っている中古住宅に住んでいる場合は旧建築基準法の耐震基準によって建てられていて耐震性が低い可能性があるため、「うちは大丈夫なのかな」という不安を抱えている人もいるでしょう。

大地震が来ても耐えられるように、リノベーションでぜひ対策をしておきたいもの。今回は、リノベーションできる耐震性能アップの方法を構造別にご紹介します。

我が家はどれ?住宅の構造の種類を知ろう

住宅の構造の種類は、主に次の3つがあります。

① 木造
② 鉄筋コンクリート造
③ 鉄骨造

それぞれの構造について特徴をまとめました。

① 木造

木材を中心とした構造体で作られる建物をさします。国内では、約80%の住宅が木造住宅です。木造住宅のうち、柱や梁などを木造で作る木造軸組工法が圧倒的に多く、耐震補強は筋交いや金物で行います。吸湿性や保温性がある木材を使うため、湿気が多く季節によって気温差がある日本の気候に合っており、開口部の位置変更なども含めてリノベーションは比較的しやすいです。
次に多いツーバイフォー工法は、柱ではなく壁を構造体としていて、工程がシステム化されています。気密性が高く室内の環境が安定しやすいものの、壁で支える構造のため、リノベーションで開口位置を変更したり窓を新たに設けるといった工事は難しいです。

② 鉄筋コンクリート造

不燃材料であるコンクリートを使って作られる建物をさします。木材を使った柱や壁によって作るためにスパン(柱と柱の間の距離)が制限される木造とは違い、コンクリートで外壁や屋根部分をつくるため、大空間のある住宅にすることができます。耐用年数が長いため住宅の寿命も長く、遮音性や耐火性に優れています。

③ 鉄骨造

鉄骨を使って構造体を組んで作る建物をさします。厚さ6㎜未満の鋼材を使う場合は軽量鉄骨、厚さ6㎜以上の鋼材を使う場合は重量鉄骨と区別します。軽量鉄骨は2階までの建物に、重量鉄骨は3階以上の建物に採用されます。鉄筋コンクリート造以上に大きな空間を作ることができ、耐久性に優れています。リノベーションも比較的しやすく、筋交いが入っている壁以外は移動が容易にできます。

住宅の構造別・リノベーションで耐震性を高めるには?

「木造は地震に弱い」といったイメージを持たれがちですが、築年数が経っていたりちゃんとしたメンテナンスをしていなかったりすれば、たとえ鉄骨造でも倒壊する可能性はゼロではありません。地震が起きても即座に倒壊しないことが、居住者の命を救うためには絶対の条件ですから、構造の種類に合わせて耐震性を高めておくことは大切です。

リノベーションを行う際には既存部分のチェックをしますので、耐震性が低いと判断されたら対策を取る必要があります。住宅の構造別に、耐震性の特徴と耐震性を高める方法についてご紹介します。

木造

木造住宅の耐震性は、住宅全体から見た壁の配置と量によって決まります。木造軸組工法の場合、ドアや窓など開口部が多い、掃き出し窓など大きな窓が多いといった間取りだと、壁の量が少なくなるため倒壊しやすくなります。また、地震によってねじるような動きが加わると、構造体である柱が折れることもあります。
基本的には、建築基準法の耐震基準に沿った壁量が確保できているかを確認し、不足していれば窓を小さくしたり開口部を減らしたりして、壁の配置のバランスを整えると同時に壁量を増やします。その上で、既存の柱と柱の間に筋交いと言われる金物をたすき掛けもしくは斜め掛けで入れ、壁そのものの耐震性を補強する方法が一般的です。

ツーバイフォー工法の場合は、構造体が壁ですから木造軸組工法よりはもともと耐震性が高めです。まずは、内壁を二重にして厚みを確保することが最優先です。その上で、屋根の仕上げ材を軽量な材質にして屋根自体を軽くすることで、揺れを抑えて倒壊しにくくする方法があります。

鉄筋コンクリート造、鉄骨造

地震が起きた時はさまざまな方向に力が加わりますが、引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮する力に強いコンクリートという2つの材料を使って建てられている鉄筋コンクリート造住宅は、もともと耐震性が高いと考えてOKです。ただし、鉄筋の組み方やコンクリートの流し込みなどが施工時にきちんとできているかによって、もともと持っている力への耐性が発揮できるかどうかが変わります。注文住宅ならこの工程時に現場に行って確認できますが、建売住宅の場合は確認できませんので、リノベーションを検討する段階でプロによるホームインスペクション(住宅診断)を受けておく必要があります。

耐震性が高い鉄筋コンクリート造ですが、築年数が40年近く経っている住宅は旧耐震基準で設計されている可能性があるため耐震補強が必要になるケースがあります。鉄筋の配置間隔を密にする工事や、フレッシュコンクリートを注入してコンクリート内の鉄筋を劣化させる原因となる空気や水を遮断する工事を行うことが多いのですが、こちらもリノベーションの検討段階でホームインスペクションにて確認しプロと相談をしてください。
尚、1981(昭和56)年5月31日までの建築確認において適用されていたのが旧耐震基準となり、翌日以降は新耐震基準となります。

また、鉄筋コンクリート造には、柱と梁で構造体を作っているラーメン構造と、コンクリート壁で構造体を作っている壁式構造の2つがあります。2つの構造のうち、柱と梁で構成されているラーメン構造の方が壁で構成されている壁式構造よりも外からの力に対して変形しやすいという特徴があります。したがって、ラーメン構造の場合は地震の揺れで崩れないよう柱を鉄板で補強する工事を行うこともあります。

鉄筋コンクリート造には、柱と梁で構造体を作っているラーメン構造と、コンクリート壁で構造体を作っている壁式構造の2つがあります。2つの構造のうち、柱と梁で構成されているラーメン構造の方が壁で構成されている壁式構造よりも外からの力に対して変形しやすいです。ラーメン構造であっても壁式構造であっても、鉄筋やコンクリートの耐用年数を考えると、築年数が50年近い場合は旧耐震基準で設計されている可能性があるため耐震補強が必要と考えましょうどちらの構造でも、鉄筋の配置間隔を密にする工事や、フレッシュコンクリートを注入してコンクリート内の鉄筋を劣化させる原因となる空気や水を遮断する工事を行いますが、ラーメン構造の場合はこれらに加えて、地震の揺れで崩れないよう柱を鉄板で補強する工事を行うこともあります。

鉄骨造は、鉄筋コンクリート造と耐震性に関する考え方はほぼ同じです。もともと耐震性は高いものの、やはり築年数が古いと劣化が進んで耐震性が低下している可能性があるため、鉄筋の配置間隔を密にする工事を行います。また、鉄骨の接合部を補強して耐震強度を高める工事を行うこともあります。

まとめ

リノベーションを検討する住宅は、築年数が経っていることが多いため、耐震性に不安があるという場合は少なくありません。耐震技術は年々向上してきているので、リノベーションをいい機会として構造体のチェックと必要な耐震補強を行い、安心して暮らせる住宅へと生まれ変わらせることをおすすめします。

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