快適?不便?平屋暮らしのメリットとデメリットまとめ


「平屋(ひらや)」とは、1階しかない住宅のことです。空間を縦方向に活用できる2階建て住宅ではなく、あえて1階しかない平屋を選ぶことにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?平屋のメリットとデメリットを比較して、ご自身の暮らしに適している構造か確認してみましょう。

平屋暮らしのメリット

1階のみで構成された平屋は、バリアフリー性や家事効率に優れているだけでなく、地震に強いというメリットもあります。

平屋はバリアフリー性が高い住宅を作りやすい

平屋を選ぶ人の多くは、住宅に「バリアフリー性」を求める傾向にあります。将来足腰が弱くなったり怪我をしたりしても、階段がない平屋であれば、階の移動を行わずに日常生活を送ることができます。

階段がない平屋は家事効率も高い

平屋は家事の手間が大きく省ける造りです。例えば2階建て住宅では、掃除機をかけるたびに、重い掃除機を抱えて転倒に気を付けながら階段を昇り降りしなければなりません。洗濯物や布団を干す時も、たくさんの洗濯物や大きな布団をベランダや庭に持っていくために、毎回階段を昇り降りする必要があるでしょう。全ての部屋が1階に集まっている平屋なら、あらゆる家事から階段の昇り降りによるストレスをなくすことができます。

平屋は地震や強風の揺れに強い

建物は、高さがあるほど地震の揺れや風圧を受けやすくなります。また、建物が揺れると壁や柱にも揺れの負荷がかかりますが、負荷が強いほど接合部がずれたり構造材が割れたりして、構造部の強度低下リスクが高くなります。

従って、高さが低い平屋は、縦に長く伸びた2階建て住宅に比べると、地震や強風の揺れに強く構造材への負荷も少ないと言えるでしょう。

平屋暮らしのデメリット

大前提として、平屋は狭い土地に不向きな構造です。面積が狭い土地では、収納や部屋数を確保するために、2階建てや3階建てにして上の空間を活用しなければなりません。狭い土地に不向きという点以外にも、平屋暮らしにはいくつかのデメリットが潜んでいます。

平屋は屋根と基礎の面積が大きい

平屋は水平方向に広い分、「屋根」と「基礎」の面積が2階建て住宅よりも大きいという特徴があります。従って、新築時には屋根と基礎の施工費用が割高になり、メンテナンス時には屋根の塗装や葺き替え費用が割高になります。特に、屋根は紫外線や雨に晒されて劣化し続ける部位です。屋根の傷みが進行してしまうと修繕費用も高くなってしまいますので、平屋では、最低でも10年に1度は屋根を点検した方が良いでしょう。

ただし、平屋は外壁面積が2階建て住宅よりも少ないため、外壁の施工費用やメンテナンス費用がかかりにくい分、2階建て住宅とコスト面で大きな差が生じないケースもあります。

1階しかない平屋は生活空間を区切りにくい

すべての部屋が一つの階に集結している平屋は、生活空間を分けにくい構造と言えます。2階建ての住宅であれば、1階をリビングやお風呂といった家族全員で共有する空間にして、2階を子供部屋や寝室などのプライベートな空間にするといった具合に、各階の役割を明確に区切ることができます。しかし、1階しかない平屋は壁やパーテーションなどでしか空間を分けることができません。間取りによっては、「勉強中や読書中にお風呂やキッチン、テレビ、トイレの音が聞こえて集中できない」「どの部屋にいても家族の視線を感じてしまう」といった不便さを感じることになるでしょう。

平屋は「防犯性」「日当たり」「動線」に工夫が必要

平屋の間取りを考える時は、

  • 防犯性
  • 日当たり
  • 動線

の3点を工夫する必要があります。

平屋は、周囲にある高い建物から室内が簡単に見渡せてしまいます。周りにある建物をよく見て、外部の視線が室内に入らないように窓やフェンスを配置しなければなりません。また、床面積が大きい平屋では、建物の中心部に光が届きにくくなります。間取りを考える際は、居室を中心部から遠ざけたり、天窓を付けたりするなどの工夫が必要になるでしょう。

平屋の間取りを考える時に最も重要な作業は、「動線」をよくシミュレーションすることです。動線とは建物内における人の動きを線で表したもので、動線がシンプルで短いほど、家事や生活の効率が高い家と言えます。床面積が広い平屋は水平方向の移動距離も長いため、効率の良い動線を考えなくてはなりません。往復や遠回りが多い動線だと、移動のたびに歩き回らなければならず家事の効率も下がってしまいます。行き止まりの部屋をなるべく作らないこと、家の端と端を往復しなくても家事が行えることなどに注意して、無駄のない動線を考えましょう。

平屋を選ぶ前にライフスタイルや将来についてよく計画しよう

平屋が良いか悪いかは、住む人のライフスタイルや家族構成によって決まります。平屋の暮らしが自分達に適しているか見極めるためには、まず自分達のライフスタイルや将来像をよく分析しておくと良いでしょう。

例えば、「家族が毎日顔を合わせる家」を理想のマイホームと考える人にとっては、家族全員が常に1階で生活する平屋は最適かもしれません。しかし、「家でも一人になれる部屋がほしい」または「子供が成長した時を考えて、子供部屋を2階に作ってあげたい」といった希望がある場合は、平屋の暮らしを窮屈に感じてしまうでしょう。

あるいは、家事のために階段を昇り降りすることを苦痛に感じない人もいれば、家事を楽にしたいので絶対に階段をなくしたいという人もいるため、住む人の生活習慣などによっても平屋の魅力は変わってきます。既に平屋暮らしをしている人の感想だけを鵜呑みにせず、実際に住むご自身やご家族で、平屋のメリットとデメリットを一つずつ検討することが大切です。

おわりに

平屋の特徴は、住む人の価値観次第でメリットにもデメリットにもなります。一般的にメリットと言われる特徴が、ご家族にとってはデメリットになってしまうケースもないとは言い切れません。これまでの生活スタイルを振り返ったり将来のライフスタイルをシミュレーションしたりして、平屋ならではの暮らしを楽しめるかどうか慎重に検討しましょう。

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