
「空前のペットブーム」が続いていると言われる日本社会。癒やしを与えてくれる大切な家族の一員として、ワンちゃんやネコちゃんをかわいがっている人も多いのではないでしょうか?
一方、ペットを室内で飼っていると、臭いやいたずら、騒音などが気になる場合もあることでしょう。
人もペットもストレスなく快適に暮らせる住まいづくりに役立つ、とっておきのリフォーム・リノベーションのコツを紹介します!
3世帯に1世帯の割合で犬、猫を飼っている!
さて、全国ではどれくらいの犬、猫が飼われているのでしょうか?
一般社団法人ペットフード協会による2018年の全国犬猫飼育実態調査の結果を見ると、犬は890万3,000頭、猫は964万9,000頭も飼われています。
合計すると1,855万2,000頭。全国の世帯数5852万7117世帯で換算すると、およそ3世帯に1つの割合で犬、猫を飼っている計算になります。
もちろん、1世帯で複数頭を飼育しているケースもあるでしょうが、もともと犬や猫の飼育を禁じられている集合住宅などもあります。
そうした制限のない住まいでは、やはりかなりの割合でペットを飼っているとみていいのではないでしょうか。
清潔で快適な住まいのコンディションを守るために
ペットが普及する中で、昔と比べて様変わりしたのが室内犬の増加です。
もともと室内で飼われることが多かった猫と合わせ、ペットは室内で飼うのが当たり前になっています。
とはいえ、どんなにかわいいペットも動物であることに変わりはありません。
人間が暮らす住まいにとって不都合な習性や行動を取ってしまうことも少なくないのです。
もちろん、動物が本来持つ習性や行動を抑えつけてしまうのは、あまりにもかわいそう。
だけれども、清潔で快適なマイホームのコンディションは保ち続けたい。
そんなときは、迷わずリフォーム・リノベーションすることをお薦めします。
壁紙の破損防止にはペット用クロスや腰壁などを
まず、ペットを室内で飼っている場合の代表的な悩みとして挙げられるのは、何と言っても壁へのいたずらでしょう。
かじる、爪を研ぐといった行為で「きれいだった壁がボロボロになってしまった」と嘆く人は多いかもしれません。
そうした被害を手軽に防げるのが、ペット用の壁紙クロスです。
通常のビニールクロスより耐久性に優れているだけでなく、あらかじめ抗菌・消臭加工されている製品も豊富に市販されています。
壁の下半分を板やタイル材などのスタイリッシュな腰壁で覆うのも有効で、部屋全体のデザインを引き締める効果も期待できます。
網戸はステンレス製に張り替えも
また、壁と同様に、網戸も引っ掻かれて破損しやすい場所です。
特に子猫の場合、爪をひっかけてよじ上ろうとするいたずらはしょっちゅう。
網戸が破れたままだと部屋がみずぼらしく見えるだけでなく、室内にハエや蚊などの虫が侵入しやすくなってしまいます。
それらによる、破れやほつれが気になる人は、思い切って頑丈なステンレス製の網に張り替えてしまう手もあります。
さらに、リビングなどへの出入りをしやすくする上では、壁や室内戸などに犬用、猫用のドアを取り付けてあげるのも手です。
ペットが通り抜けたと同時に扉が閉まる仕様のものを選べば、屋外と直結していても家の中に虫が入ってくる心配が少なくて済みます。
臭い対策と一緒に調湿もできる自然素材
もう1つ、ペットの悩みで多いのが臭いでしょう。
先ほど紹介した消臭効果がある壁紙クロスを使うのもいいですが、自然素材の珪藻土や漆喰を塗れば調湿効果を高めることもできます。
また、室内に置くのが一般的な空気清浄機などは天井にすっきりと埋め込むタイプもあります。
換気のためには思い切って窓を増やす方法もありますので、検討する場合はリフォーム業者などに相談してみるといいかもしれません。
防音と断熱性を向上 内窓設置も一石二鳥

このほか、ペットの鳴き声が近所に漏れるのを防ぐ、あるいはペットのストレスになる外からの騒音をシャットアウトしたいというのであれば、防音窓や内窓の設置が有効です。
特に、内窓は断熱性の向上も図れるため、ペットの寒さ対策にもってこいです。また、暖かい家をつくるには床暖房を取り入れてみるのもいいでしょう。
お子様などが同居している場合、温風ストーブなどと比べてペットの毛が空中に舞いにくい床暖房はアレルギー防止対策にもなります。
なお、リフォームの際は、床材もチェックしましょう。
合板フローリングのような硬い床、または滑りやすい床は、ペットの足腰を痛めてしまう恐れがあります。
こちらもペット用のフローリングやクッションフロアが市販されており、消臭・抗菌加工されたもの、さらには防音性に優れたものがそろっています。
運動不足とストレス解消 ドッグランやキャットウオーク

室内や庭、ベランダのスペースに余裕があれば、犬や猫が自由に遊べるドッグランやキャットウオークを設置するのもお薦めしたいところです。
運動不足だけでなく、ストレスの解消にも効果的です。
ただし、庭やベランダで遊ばせる場合は飛び出しや転落を防ぐための安全対策をお忘れなく。敷地の周りをフェンスで囲ったり、玄関前に門扉を設置したりして事故を防ぎましょう。
あったら便利!水回りの設備充実も効果的
最後に、水回りの紹介です。
外で遊ぶ機会の多いペットがいるなら、庭やベランダ、外構にシャワープレイスを設けておくと便利です。家の中に入るときに簡単に足などを洗えれば、散歩などから帰った際の手間が省けます。
ペットの入浴には、シンクが広いシャワー機能付きの洗面台があれば、シャンプーも楽にできるようになるでしょう。
まとめ
ペットは時に、人間にとって予測のつかない行動を取るもの。部屋を荒らしてしまったり、粗相をしてしまったりすることだってあります。
そんなときも、なるべく窮屈な思いをせず暮らすことができる住まいがあれば、動物ばかりではなく、飼い主にとってもうれしいはずです。
人間にとってのマイホームは、犬や猫にとってもマイホームなのです。
かけがえのないペットが元気で長生きできる住まいを実現するため、効果的なリフォーム・リノベーションを取り入れてみませんか?