不動産売買契約を結ぶときの注意点


住宅を購入するときには不動産売買契約を結びます。契約を結ぶ機会は様々ありますが、これほど高額の契約を結ぶのは初めてだという人は多いのではないでしょうか。

契約書は売主と買主の約束事を記載した重要な書類です。万一トラブルになったときも契約書の記載に沿って進めることになります。住宅を取得する前に、様々な話をしたり、アドバイスを受けたりすることもあるでしょう。しかし契約書に書いていなければ、口約束した内容が守られるとは限りません。

そこで、今回は、契約を結ぶときの注意点をまとめ、不動産売買契約のポイントとなる重要事項説明書について解説します。

基本的な注意事項・心構え

いくら担当者が良いことを言っていたとしても、契約書に書かれていなければ意味がありません。契約書については、次の点に注意しましょう。

・契約書を渡されたその日に署名せず、一旦持ち帰って、契約書をじっくり読む。
・契約書の記述について、不明な点は必ず確認する。
・口約束した内容が契約書に盛り込まれているか確認する。

不動産売買は契約書に記載されている内容が共通のルールとなりますので、信用できると思っていても、契約は慎重に締結しましょう。

知りたいこと・重要なことを説明されたか確認する

不動産売買を行っている事業者は、宅建業者として、法令により様々なルールの下、不動産取引を行っています。ルールの一つに「重要事項の説明」があります。たいてい、経験や知識が豊富な事業者と取引経験のない個人が不動産の取引を行いますので、個人が不利にならないよう、必ず説明しなければならないことが決められています。

契約する前に、取引条件や物件情報の内容を確認できる重要事項説明書という書面について、不動産取引の資格を持つ宅地建物取引士が説明することになっています。この重要事項説明書について不明な点があれば必ず質問し、解消する必要があります。その後の契約書に署名してしまうと、あとで気づいても取り消すのはかなり難しいですので、重要事項の説明の段階で納得できるまで時間をかけた方がいいでしょう。

重要事項説明書で確認すべき基本的な内容を解説していきますが、これ以外にも住宅の状況によっては確認すべき内容があります。国土交通省が公開している重要事項説明書の見本をもとに、確認すべきポイントを紹介します。

※国土交通省「重要事項説明書」http://www.mlit.go.jp/common/001257704.pdf

<重要事項説明書の内容>
第一面

項目内容
1 説明をする宅地建取引士の情報氏名や登録番号など
2 取引の態様取引内容が不動産の売買で、宅建業者が売主になるのか、媒介(仲介)なのかの確認
3 土地・建物情報土地や建物の所在地、面積などの基本的な情報

取引の態様は、宅建業者に支払う手数料にも影響します。また、土地の面積は、登記簿面積と実測面積があります。登記簿面積は登記簿に記録されている面積、実測面積は実際に測った面積です。登記簿面積と実測面積が異なることは多く、住宅を建てるための土地を購入する人は注意が必要です。

またマンションの場合は、共有部分(廊下やエレベータなど)の規約や専用部分(各部屋など)の用途や利用制限についても記載されています。

売買には、登記簿に記載されている面積を基に売買する「公募売買」と実際に測量した面積で売買する「実測売買」があります。実測面積が公募面積より狭ければ、だまされたと感じてしまうかもしれません。面積に差があればその分の差額を清算するなど対応方法について相談しましょう。

宅建業者の取引態様や手数料につきましては、次の記事をご覧ください。
宅建業者と媒介手数料の仕組み

第二面~第五面

項目内容
1 登記記録に記録された事項所有者は誰か、抵当権は付いていないかなどを確認できます
2 都市計画法・建築基準法等の法令に基づく制限の概要区域の別、建築面積の限度・延べ床面積の限度、飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況など、法令による制限

登記記録に記録された事項では、抵当権の有無を確認することができます。抵当権は、一般的に住宅取得資金を金融機関から借りる際、担保となっている不動産につきます。返済ができなくなった場合、抵当権がつく不動産を売却して資金を回収します。

抵当権は、住宅取得時は金融機関が登記の手続きをしますが、抵当権を外す抵当権抹消手続きは自ら手続きをしなければなりませんので、返済が終わっていたとしても付いている可能性があります。不動産販売業者が仲介になっている場合、売りに出す前に抵当権を外すと思いますが、念のため確認しておきましょう。

また法令に基づく制限は、ある程度の法令の仕組みを知らないと理解しにくいかもしれません。用途地域など基本的な法令については、下記の記事をご覧ください。
住環境に影響を与える用途地域の基本と調べ方

中古住宅の場合は、建物の状況や増改築等に関する書類があるかどうかについても記載されています。建物の状況等は、中古住宅を購入する上で最も確認すべき項目の一つだと思いますので、必ず目を通しておきましょう。

第六面

項目内容
1 不動産価格以外に支払う金額手付金や固定資産税等の清算金など、不動産価格以外に支払う金額が記載されています。不明な金額が書かれていないか確認します。
2 契約の解除、損害賠償額、手付金など契約解除の方法や解除できる条件などに関する内容です。トラブルを最小限におさえる重要な項目です。
3 瑕疵担保責任の履行に関する措置売主が倒産などで瑕疵担保責任を負うことができない場合の措置を講じているかどうかが記載されています。

瑕疵は隠れた欠陥のことで、売主は買主に一定の責任を負っています。新築住宅の売主については、瑕疵担保責任の履行に関する措置を講じる義務を負っています。

契約解除や手付金や瑕疵担保についての詳細は、次の記事をご覧ください。
購入前に知っておきたい!契約解除の方法と欠陥発見時の対応
リノベーションによる欠陥が?こんな時でも安心な保証制度

重要事項説明書に記載されている内容のうち、特に専門的な項目をピックアップして紹介しました。不動産取引に影響する内容だからこそ、法令で説明するように決まっています。冒頭に紹介した重要事項説明書の見本を一度読んでおくと安心でしょう。

おわりに

少し難しい内容が多かったかもしれませんが、住宅探しを始めると自然と意味の分かる内容もありますので、少しずつ慣れてくると思います。重要事項の説明時に初めて知ったとしても、契約を急がず、時間をかけて重要事項説明書や契約書を読み、一つひとつの内容を理解していけばトラブルになる可能性は少なくなるでしょう。

契約後に気が変わっても変更するのは難しくなりますので、重要事項説明書の内容を十分理解してから次のステップに進むようにしてください。

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