戸建て住宅の外壁と屋根は定期点検を!外装リフォームの種類と実施時期

外壁と屋根は劣化を見落としやすい箇所です。キッチンやトイレといった日常的に目にする部位以上に、定期的な点検を心がけておきましょう。この記事では、外壁や屋根でリフォームが必要な理由や、適切なリフォーム時期、外壁・屋根リフォームの効果を長持ちさせるポイントなどを解説します。

外壁と屋根はいつかリフォームが必要になる

管理組合が外装を管理しているマンションと違って、戸建住宅ではご自身で外壁と屋根のリフォームを行わなければなりません。中古の戸建住宅を購入する時は、水回りや内装だけでなく、外壁や屋根などの外装リフォームが将来的に発生することも頭に入れておきましょう。

外壁と屋根はリフォームの重要度が高い部位

外壁と屋根は、雨や紫外線、風、飛来物などから常に屋内を守っています。その外壁と屋根が劣化すると、劣化は家の内側まで進行してしまう恐れがあります。

外壁や屋根の防水性が失われると、雨水が建物構造部に入り込み、湿気が構造材を腐食させたりシロアリなどの害虫を呼び寄せたりすることがあります。室内の壁や床まで雨漏りが到達すると、内装材にカビやシミができてしまうでしょう。

外壁や屋根のメンテナンスを定期的に行うことで、劣化の範囲が最小限で済み、リフォーム費用も少額で済ませることができます。

外壁と屋根は塗装で保護されている

外壁材や屋根材は塗装で保護されており、塗装を定期的に塗り替えることで本体の寿命を延ばすことができます。また、外壁塗装工事では塗装と併せて外装全体の不具合や劣化もチェックしてもらえるため、外装全体の点検を済ませることが可能です。

外観のイメージチェンジとして行われているように見える塗り替えですが、実は建物のメンテナンスという重要な目的のもと行われています。

中古戸建住宅を購入する時は外壁・屋根のリフォーム履歴で選ぶ

中古の戸建て住宅を購入する時は、外装リフォーム(外壁と屋根のリフォーム)が最後に実施された時期を調べておくと良いでしょう。過去5年以内に外装リフォームが実施されていれば、購入から5〜10年は大規模なリフォームの必要はなく、最小限のメンテナンスのみで済むと考えられます。一方、外装リフォームが20年以上行われていなかったり、一度も実施されていなかったりする物件では、外壁や屋根の傷みが進行している物件では、雨漏り補修や外装材の張り替えが発生する可能性が高くなります。

住宅購入時や購入後のリフォーム費用を抑えるためには、外装も含めた物件全体のリフォーム履歴を確認しておきましょう。

外壁と屋根をまとめてリフォームするメリット

外壁も屋根も、リフォームを行う時は足場を組みます。足場を設置するためには、一回のリフォームで20~30万円の費用がかかりますが、外壁と屋根を同時にリフォームすることで足場代が一回でまとまり、20〜30万円の節約になります。

以下からご紹介する「外壁リフォーム・屋根リフォームの実施時期」を参考にして、できるだけ外壁と屋根をまとめてリフォームできるような計画を立てましょう。

外壁リフォームの種類と実施時期

外壁で定期的に実施されるリフォームは主に、汚れや異物の洗浄、コーキングの打ち替え、塗装などです。洗浄や塗装でも劣化が修復できない時は、外壁材本体を張替えなければなりません。

外壁の洗浄

  • 実施時期:汚れがひどい時

外壁に付着したカビやコケ、ほこりや排気ガスなどを、業務用の高圧洗浄機で洗い落とします。なお、外壁の洗浄は外壁塗装工事でも必ず実施してもらえます。
洗浄費用は戸建住宅一棟あたり5万円程度ですが、足場代が別途20~30万円発生します。

外壁のコーキング打ち替え

  • 実施時期:5~10年

コーキング(またはシーリング)とは、サイディング外壁のパネル同士の隙間や、外壁と窓サッシの隙間などに充填されたゴムのような部材のことです。
コーキングは紫外線や雨で劣化しやすいため、5~10年に1度は「打ち替え」が必要と言われます。「打ち替え」とは劣化したコーキングを撤去して、新しく詰め直すことです。コーキング補修も、外壁塗装工事では必要に応じて実施されます。

コーキングの打ち替えは1㎡あたり1,000円前後で、戸建て住宅一棟では30~50万円が相場です。

外壁塗装

  • 実施時期:15~20年

紫外線や雨で劣化した古い塗装を除去し、新たな塗料で塗替えます。30坪の住宅であれば、外壁塗装単独の工事費用は約70~100万円が相場ですが、塗替えの費用と効果の持続期間は選んだ塗料の種類に左右されます。

塗料の種類と特徴

以下は外壁塗装で使われる塗料の、種類ごとの特徴をまとめた表です。

塗料の種類 特徴
アクリル樹脂塗料 耐用年数:約5年
㎡あたりの価格:約1,600円
ウレタン樹脂塗料 耐用年数:約10年
㎡あたりの価格:約1,900円
シリコン樹脂塗料 耐用年数:約15年
㎡あたりの価格:約3,000円
フッ素樹脂塗料 耐用年数:約15~20年
㎡あたりの価格:約4,000円
その他機能付き塗料 耐用年数と㎡あたりの価格は塗料の機能による
断熱性、遮熱性、防汚性など塗料ごとに異なる機能を発揮する

現在はシリコン塗料が多くの現場で使われており、効果の持続期間と価格のバランスが最も優れています。

外壁の張替え(20~30年)

塗装でも保護できないほど外壁材が劣化している時は、新しい外壁材への交換が必要です。張替えには約200万円以上の費用が発生し、洗浄や塗装よりも多くの費用がかかります。張り替えが必要になってしまう前に、定期的な塗装を実施しておきましょう。

なお、外壁材の耐久性が低くなった時は「カバー工法」で解決できることもあります。カバー工法とは、古い外壁材を残したまま新しい外壁材を上から被せることです。

ただしカバー工法には

  • 外装の重量が増し耐震性が低くなる
  • 外壁下地で起きている雨漏り被害やシロアリ被害をチェックできない

などのデメリットもあります。カバー工法を選ぶ時は、外壁下地の状態も考慮して、実施すべきか慎重に検討してくれるリフォーム業者に依頼することが大切です。

屋根リフォームの種類と実施時期

屋根で行われるリフォームの内容は外壁とほぼ同じですが、屋根は外壁よりも紫外線のダメージが多いため、実施タイミングが少し早まります。

屋根の洗浄

  • 実施時期:汚れがひどい時

屋根の汚れやカビ、コケなどを高圧洗浄機で洗い流します。屋根のみの洗浄費用は、足場代も含めると約20万円です。

屋根塗装工事を依頼した場合も洗浄は行われます。外壁でも屋根でも塗装前に洗浄が行われる理由は、表面の汚れを落として塗料が付着しやすい状態にするためです。

屋根の塗装

  • 実施時期:約10~15年

屋根塗装用の塗料も、外壁と同じ種類が使われます。劣化が早い屋根では、耐久性が低いアクリル塗料が使われることはほとんどなく、高耐久のフッ素塗料が選ばれる傾向にあります。屋根単独の塗装費用は約50~70万円です。

屋根は外壁より紫外線の被ダメージ量が多いため、外壁と屋根の塗装を同じタイミングで実施したい場合は、外壁に選んだ塗料のワンランク上の塗料を選んでおくと良いでしょう。例えば、外壁にシリコン塗料を使った場合は、ワンランク上のフッ素塗料を使うと、劣化時期をほぼ同じタイミングにすることができます。

屋根の葺き替え

  • 実施時期:約20~30年

屋根材全体の葺き替えは、劣化した屋根材を交換するために行われることもあれば、日本瓦などの重い屋根材をガルバリウム鋼板などの軽い屋根材と交換するために行われることもあります。屋根を軽くすることによって、地震が起きた時の揺れに家が揺さぶられにくくなり、耐震性を高めることが可能です。

屋根の葺き替えは100~170万円と塗装よりも高くなります。また、屋根は外壁以上に日頃から状態をチェックできないため、屋根も含めた外装全体の点検を定期的に実施しておきましょう。

まとめ

中古住宅を購入する時は、将来的に外壁と屋根のリフォームが必要になることを想定して、修繕履歴も踏まえた物件選びが欠かせません。内装や水回りといった毎日使う箇所のリフォームに予算を回せるように、外装のリフォームを最小限に抑えられる修繕計画を立てましょう。

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