リフォームは種類が非常に多く、プランニングの内容次第で金額が変わります。施工内容ごとの費用相場を知っておくことで、リフォーム業者に見積もりを取る前に、ある程度の予算を立てておくことが可能です。
このページでは、住宅リフォームやリノベーションで行われることが多い工事内容について、独自に調査した費用相場を紹介します。
※掲載している費用は参考価格です。リフォームを行う住宅の規模や施工会社によって変動することがあります。
水回りリフォームの費用相場

浴室、キッチン、トイレ、洗面台などの水回り機器は、20~25年に一度はリフォームを行うことになるでしょう。
以下は、浴室、キッチン、トイレ、洗面台ごとに行われるリフォームの種類と、費用相場をまとめた表です。
浴室リフォーム
浴室リフォームの種類 | 費用相場 |
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システムバスの交換 | 70~110万円 |
在来工法のお風呂からシステムバスに交換 | 100~150万円 |
浴槽の交換 | 30~50万円 |
キッチンリフォーム
キッチンリフォームの種類 | 費用相場 |
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システムキッチンの交換 | 60~130万円 |
壁付けキッチンを対面キッチンに交換 | 90~150万円 |
ビルトインコンロの交換 | 20~30万円 |
ビルトイン食洗機の追加 | 15~20万円 |
カップボード・収納の追加 | 50~80万円 |
トイレリフォーム
トイレリフォームの種類 | 費用相場 |
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トイレ本体の交換 | 20~40万円 |
和式トイレを洋式トイレに交換 | 20~60万円 |
トイレに洗面台を設置 | 10~30万円 |
トイレを交換して位置を変更 | 40~80万円 |
トイレの増設 | 40~60万円 |
洗面所リフォーム
洗面所リフォームの種類 | 費用相場 |
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洗面台の交換 | 20~100万円 |
脱衣所の床材を張替え | 2~5万円(1坪の場合) |
脱衣所の壁紙を張替え | 3~5万円(1坪の場合) |
内装リフォームの費用相場

内装リフォームでは、リフォームを行う面積に対し、㎡あたり(または坪あたり)の施工単価を乗じて費用を求めます。内装リフォーム費用の見積もりを見る時は、施工面積が正確に計算されていることや、施工単価の相場などを確認しましょう。
床のリフォーム
床リフォームの種類 | 費用相場 |
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フローリングの張替え | 10~15万円(8畳、約14.6㎡の場合) |
畳からフローリングに張替え | 20~30万円(8畳、約14.6㎡の場合) |
床暖房の設置 | 30~80万円 |
壁・天井のリフォーム
壁・天井リフォームの種類 | 費用相場 |
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壁紙の張替え | 3~7万円(8畳、約14.6㎡の場合) |
化粧梁の追加 | 3~10万円 |
室内のリフォーム
室内リフォームの種類 | 費用相場 |
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間仕切り壁の新設 | 10~20万円(1箇所あたり) |
間仕切り壁の解体・撤去 | 5~8万円(1箇所あたり) |
造作カウンターの設置 | 5~15万円 |
和室から洋室にリフォーム | 20~70万円(8畳、約14.6㎡の場合) |
外装・外構リフォームの費用相場

住宅の外装とは外壁や屋根などのことです。カーポートやウッドデッキ、門回りなどの屋外にある設備は外構、またはエクステリアと呼ばれます。外装や外構リフォームも、内装リフォームと同様に施工単価と施工面積が総費用に影響します。
なお、マンションの外装や外構は共用部ですので、リフォーム・リノベーションは行えません。
外壁リフォーム
外壁リフォームの種類 | 費用相場 |
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外壁の洗浄 | 30万円(足場なしの価格:5万円) |
外壁の塗装 | 70~100万円 |
外壁継ぎ目のコーキング打ち替え | 30~50万円 |
外壁のカバー工法 | 150~200万円 |
外壁の張替え | 170~240万円 |
30坪の戸建て住宅を想定・価格は足場設置費用を含みます。
屋根リフォーム
屋根リフォームの種類 | 費用相場 |
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屋根の洗浄 | 20万円 |
屋根の塗装 | 50~70万円 |
屋根の葺き替え | 100~170万円 |
30坪の戸建て住宅を想定・価格は足場設置費用を含みます
外構リフォーム
外構リフォームの種類 | 費用相場 |
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フェンスの設置 | 8~15万円(10m以内) |
門回りのリフォーム | 20~50万円 |
玄関ドアの交換 | 10~30万円 |
窓サッシの交換 | 4~10万円(1箇所あたりの価格) |
カーポートの設置 | 30~60万円(1台サイズの価格) |
ウッドデッキの設置 | 20~40万円 |
サンルームの設置 | 20~50万円 |
フルリフォーム・フルリノベーションの費用相場
フルリフォームやフルリノベーションとは、大規模な解体工事が発生し、工事が広範囲に渡るリフォームのことです。
戸建て住宅の建て替えや、マンションのスケルトンリフォーム(※)などもフルリフォームやフルリノベーションに含めて良いでしょう。
※スケルトンリフォーム…柱や梁などの構造材のみ残し、内装を全て解体して一から作り直すリフォームのこと
フルリフォームやフルリノベーションの総費用は、既存の建物や間取りを解体する範囲によって工事費用が変わります。また、戸建て住宅の場合、大規模な解体を行うと後述の「建築確認申請費用」や「登記費用」が別途発生する点に注意しましょう。
以下は、住宅やマンションをフルリフォームまたはフルリノベーションした時の総費用相場と内訳です。
中古住宅のフルリフォーム・フルリノベーション
- 総費用の相場:約800~2,200万円
リフォーム・リノベーションの内容 | 費用相場 |
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中古住宅の水回り機器をすべて交換 | 170~400万円 |
室内リフォーム | 300~900万円 |
外装・外構リフォーム | 250~600万円 |
解体費用 | 100~300万円 |
※30坪の戸建て住宅を想定
マンションのフルリフォーム・フルリノベーション
- 総費用の相場:約400~1,000万円
リフォーム・リノベーションの内容 | 費用相場 |
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マンションの水回り機器をすべて交換 | 150~300万円 |
室内リフォーム | 150~500万円 |
解体費用 | 80~200万円 |
※60~70㎡のマンションを想定
リフォーム・リノベーション工事で発生する諸費用
リフォームを行うと、工事費用とは別に様々な諸費用も発生します。諸費用は着工前や着工後に発生するものもあるため、諸費用分の資金も準備しておきましょう。
契約書の印紙代
リフォーム業者と工事請負契約書を結ぶ際、契約金額に応じた税額の印紙代が発生します。
以下は請負契約額に対する印紙税一覧の一部です。
契約金額 | 印紙税額 |
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1~200万円 | 200円 |
200~300万円 | 500円 |
300~500万円 | 1,000円 |
500~1,000万円 | 5,000円 |
1,000~5,000万円 | 1万円 |
5,000~1億円 | 3万円 |
※税額は2019年2月時点のものです。
ローン利用時の諸費用
- 20~70万円
※ローンを組んでリフォームを行う場合のみ発生
リフォームやリノベーションを行うために、リフォームローンや住宅ローン一体型ローンなどを組む場合は、ローン利用のための諸費用が発生します。諸費用の内訳は、金融機関に支払う事務手数料や保証料、ローンの契約書に貼る印紙代、抵当権設定費用などです。
登記費用
- 3~5万円(1件あたり)
土地や建物などは「不動産登記」に情報が記録されており、変更があった場合は登記情報の書き換えを行わなければなりません。
増築などの大規模なリフォームを行うと、建物の面積が変わって登記情報の書き換えが必要になることがあります。また、住宅用の建物を店舗用にリノベーションした場合など、建物の使用用途が変わった時も登記事項の書き換えが必要です。建て替えのために住宅をすべて解体した場合は、滅失登記の費用が発生します。
建築確認申請費用
- 20~30万円
増築や建て替えといった大規模なリフォームを行うと、自治体や指定機構へ「建築確認申請」を提出しなければならないことがあります。
諸経費
- 工事費用に対し5~15%
リフォーム費用の見積もりには「諸経費」という項目があります。諸経費とはリフォーム業者が事業を行うために費やした様々な費用のことです。
諸経費は2種類の費用で構成されています。
現場管理費 | 現場の工程、品質、安全などの管理費用、作業員の人件費、労災保険料、部材の運搬費、車両のガソリン代など |
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一般管理費 | 事務員の人件費、事務所の家賃、光熱費、広告宣伝費など |
リフォーム費用が高くなるケース

以下のようなケースでは、一般的な相場に比べてリフォーム費用が高くなることがあります。
グレードが高い部材を選んだ時
リフォーム費用は「部材の価格」と「施工費用」の合算で決まるため、グレードが高い部材を選ぶとリフォーム費用も高くなります。
水回りリフォームの場合は、機器のオプション機能を増やしたり大きなサイズを選んだりすると、相場よりやや高めのリフォーム費用になるでしょう。内装リフォームの壁紙や床材、外壁や屋根塗装の塗料などにも、ハイグレード品があります。
便利な機能やおしゃれなデザインを求め過ぎて、リフォーム費用が増え過ぎないように、最低限必要な機能を備えていることを基準に部材を選びましょう。
補修工事が発生した時
リフォームでは、現場の補修や補強工事といった追加工事が発生することがあります。
例)
- 床板を剥がしたらシロアリ被害が発覚して防蟻工事が追加された
- 屋根の洗浄をしたら雨漏りが見つかって屋根補修工事が追加された
- 洗面台を解体したら床下地に腐食が見つかって床の補強工事が追加された
など
リフォーム業者から補修や補強などの追加工事を提案されて、実施すべきか悩んだ時は、複数の業者に相見積もりを取って意見を比較しましょう。
まとめ
リフォームは実施した工事の規模や組み合わせによって費用が変わりますが、選んだ施工業者でも価格に違いが出ます。必ず複数業者から見積もりを取り、納得できるプランや予算で施工してくれるリフォーム業者を選びましょう。