インテリアデザイナーは、リフォームのプランニングに悩んだ時の強い味方です。しかし、リフォームのどのタイミングで相談できるのか、相談するとどんなアドバイスをもらえるのか、具体的にイメージできない方も多いかもしれません。そこでこの記事では、インテリアコーデザイナーの仕事内容や、おすすめのインテリアデザイナーの選び方などを、それぞれ詳しくご紹介します。
インテリアデザイナーの仕事内容
インテリアデザイナーとは、住宅や店舗、オフィスなどのインテリアを、依頼主の希望に合わせてコーディネートする専門家です。ハウスメーカーやリフォームショップ、住宅機器メーカーのショールームなど、インテリア業界の様々な場所で活躍しています。
インテリアデザイナーは、リフォームの相談も聞いてくれます。例えば、「使わなくなった子ども部屋を、お父さんの書斎用にリフォームしたい」という要望があれば、既存のインテリアを見て書斎に使える部分や改善すべき点を分析し、依頼主の予算に応じたコーディネート案を考えてくれるでしょう。
インテリアデザイナーが選んでくれる範囲
インテリアデザイナーが選んでくれる範囲は、室内の設備、家具、照明など非常に多岐に渡ります。コーディネートの際は、依頼主の希望予算や使用用途などを吟味して、膨大な種類の中から適したアイテムをチョイスしてくれます。例えば、リビングのリフォームでは、キッチンを壁付けにするか対面式のアイランドキッチンにするかによって、キッチンとリビングの使い勝手が大きく変わりますが、リフォームの知識がないとどのプランが最も良いか判断できません。しかし、インテリアデザイナーに相談すれば、依頼主が思い描く生活スタイルや家族構成に応じて、最適な設備の種類やオプション機能などをトータルにコーディネートしてもらえます。
インテリアデザイナーになるための資格は?
インテリアデザイナーは、建築士や宅建士といった国家資格と違って、資格を持っていない人でも就ける職業です。言い換えれば、どんなに経験が浅くてもインテリアデザイナーは名乗れてしまいます。もし、どのインテリアデザイナーを選べば良いか悩んだ時は、やはりインテリアデザインに関する資格を持った担当者を選んだ方が良いでしょう。
インテリアデザインに関する資格の違い
インテリアデザイナーは、インテリアデザインを行う専門家の総称ですが、「インテリアデザイナー」という資格の名前でもあります。また、インテリアデザインに関する資格は、インテリアデザイナーの他にも様々な種類が存在します。
インテリアデザインに関する資格のうち、よく比較されるものは以下の3つです。
- インテリアデザイナー
- インテリアプランナー
- インテリアコーディネーター
いずれも主催団体や名称が違うだけで、インテリアの専門家であることに変わりはありませんが、それぞれの資格には出題範囲や取得者の傾向に若干の違いがあります。
以下は、3つのインテリアデザインに関する資格の違いをまとめた表です。
資格名 | 特徴 | |
---|---|---|
インテリアデザイナー | 試験の出題範囲 | インテリアデザインに関する知識と、施工に関する知識が必要。商品知識やデザイン史のほか、施工や販売など実務に関する問題も出題される。 |
取得者の傾向 | 住宅だけでなく、店舗や商業施設のデザインに関わる人が多い。将来的にインテリアデザインの仕事に就きたい人が受験するほか、既に現場で活躍している人がスキルアップのために受験することもある。 | |
受験資格 | 特になし | |
インテリアコーディネーター | 試験の出題範囲 | 家具やインテリアの専門知識が必要。試験では、商品知識やプランニング能力などについて、筆記やプレゼンテーションで問われる。 |
取得者の傾向 | 主に、注文住宅やリフォームの内装プランニング担当者が保有している傾向にある。インテリアデザイナーと同じく、就職やスキルアップを目指す人に人気の資格。 | |
受験資格 | 特になし | |
インテリアプランナー | 試験の出題範囲 | インテリアだけでなく、構造部分や住宅設備といった、建築全般の幅広い専門知識が必要。一次試験では学科試験が行われ、二次試験で設計製図試験が行われる。。 |
取得者の傾向 | 出題範囲が建築士と似ているため、合格者のほとんどが「建築士」の資格も同時に保有している傾向にある。設計事務所や不動産業者で働く人が多い。 | |
受験資格 | 年齢制限なし。 実務経験による制限あり。 ・実務経験がない場合は、一次試験合格後「アソシエイト・インテリアプランナー」の資格が与えられる。 ・規定の実務経験年数を満たすと二次試験を受験できるようになり、合格した者のみ「インテリアプランナー」を名乗ることができる。建築士の有資格者は、一次試験免除で二次試験を受験可能。 |
3つの資格を比較すると、インテリアプランナーは最も専門性が高くなっていますが、他2つの資格がインテリアプランナーに劣るわけではありません。上記3つの資格はいずれも、受験者の合格率が約25~30%に留まっており、無勉強では決して取得できない資格です。
また、表の「取得者の傾向」を見るとわかる通り、インテリアデザインに関する資格は、業種や働き方によって取得者の傾向が分かれています。従って、インテリアコーディネーターがいるリフォームショップでも、相談の目的が「壁紙や家具といった内装だけデザインを考えてほしい」であれば、希望に近いプランニングを行ってもらえるでしょう。もし「建て替えをするので、解体後の住宅設計までトータルでプランニングしてもらいたい」のであれば、インテリアプランナーが在籍している設計事務所が適しているかもしれません。
インテリアデザイナーのおすすめな選び方
頼れるインテリアデザイナーかどうかは、評判やクチコミだけではわかりません。頼れるインテリアデザイナーを見つけるためには、まずは担当者本人と打ち合わせをして判断する必要があります。この打ち合わせ時に、以下の3点をチェックしてみると、希望のプランを作ってくれるインテリアデザイナーかどうか見抜けるかもしれません。
依頼主との打ち合わせを尊重している
インテリアデザイナーの最も重要な仕事は、依頼主の思い描いた希望をインテリアに反映させることです。その仕事を実現するためにも、依頼主の現状を知ることのできる「打ち合わせ」は、インテリアデザイナー側にも欠かすことのできない貴重な時間です。予算や家族構成といった、紙のアンケートでも聞けるような質問だけで打ち合わせを終わらせず、じっくり依頼主の話に耳を傾けてくれるインテリアデザイナーをまずは見つけてみましょう。
打ち合わせでインテリアデザイナーから聞かれる質問の内容も、実はプランニングに大きく影響しています。優秀なインテリアデザイナーは、何気ない雑談の中から、依頼主の潜在的な希望を見抜きます。趣味や休日の過ごし方、好きな映画や小説といった、一見リフォームとは関係ないように思えるインテリアデザイナーの質問にも、実は大きな意味があるかもしれません。例えば、「お父さんは読書がとても好きなようだから、本を沢山しまえる収納付きの扉を提案したら喜んでくれるかな?」「お母さんはお子さんとお昼寝する時が1日で一番楽しい時間のようだから、ごろ寝できる小さな畳のスペースを作ったら喜ばれるかもしれない」といった具合に、何気ない雑談の中から想像力と好奇心を働かせ、依頼主がリフォームで本当に望んでいる希望を引き出してくれるでしょう。
建築関連の資格も持っているかチェック
インテリア関連の資格だけでなく、建築関連の資格も保有しているインテリアデザイナーであれば、なお望ましいでしょう。インテリアデザイナーにも、建築の基本的な知識は必須です。なぜなら、基本的な健材の名前や価格相場、組み立て方、素材の特徴などを知っておかなければ、お客さんの希望に近いプランを考えられないからです。
国家資格である「建築士」や「施工管理技士」などの資格もあれば、幅広い建築・インテリアの専門知識を持つ人物であることが期待できます。
豊富な現場経験がある
多くのリフォーム現場を担当したことのあるインテリアデザイナーであれば、過去の経験によって培った沢山のアイデアを持っています。優秀なインテリアデザイナーの中には、施工担当者が「これ以上はできない」と言った現場でも匙を投げず、自分の目で問題点を確認して調べ、実現できるレベルまで持っていくことがあると言います。多くの現場や依頼主との仕事を経たインテリアデザイナーであれば、「こんなリフォームをしたいけど無理かな」と思っていたプランでも、過去の似た事例を参考に、希望に近いプランを考えてくれるでしょう。
おわりに
インテリアデザイナーは、家具や小物選びだけでなく、リフォーム前のプランニングの時点から関わってくれる、リフォームの良き相談相手です。リフォームの方向性に迷っている場合は、ぜひインテリアデザイナーに悩みや不安を相談し、豊富な経験と専門知識に基づいた適切なアドバイスをもらうと良いでしょう。