世界は広い – 各国から学ぶDIY&リノベーション文化

海外と日本のDIY、リノベーション文化の違い

日本では世界の人口増加現象のトレンドとは真逆に、高齢化社会、少子化という社会構造から、人口現象のトレンドにあり、実際に「労働力不足」や「空き家」などといった問題が出てきています。

このようなことから、すでに飽和状態にある家を新築するのではなく、それをリフォーム、リノベーションしていこうというトレンドが日本でも起こり、盛んになってきています。

ヨーロッパのリノベ文化

例えばヨーロッパの建築を見てみると基本的に古くはレンガで、現代でも石造りの家が多く見られます。

石造りの家は木造建築と比べて圧倒的に劣化しにくいため、何十年はおろか、何百年 、さらには何千年とも持ちます。

例えば、イタリアの有名な円形闘技場のコロッセウムは建設年が80年ですが、少し欠けているとはいえ未だにその外観を保っています。

つまり、石造りの家は基本的に長持ちするので、わざわざ家を取り壊して新しく立て直すということをしなくても、リノベーションをすれば、まるで新築のように暮らせるのです。

他ではロンドンの住宅地などを見てみると、別の家なのに家と家が繋がっているような建築をよく見かけます。

このような建築を壊してしまうことは必然的に不可能となるので、やはりこの場合も内装だけリノベするという風景をよく見かけます。

このような建築様式の文化の違いが、欧米のリノベ文化を少なからず育んできたと言っても過言ではないでしょう。

オーストラリアのDIY文化

オーストラリアやニュージーランドに行けば、リノベーションより前に「自分たちでなんでも作っていく」というDIY文化が彼らの根底にあることがわかります。

もともとが欧米移住者からなる開拓社会となるため、家も含め、彼らは何もないところから全てを作っていかなくてはなりませんでした。 そのために基本的に、「家は買うものではなく、自分で作るもの」という精神が息づいているのです。

また、オーストラリアの場合は山火事を覗き、地震や台風などの日本では当たり前の自然災害がありません。

日本では当然のことながら、しかし専門的な知識のいる耐震強度のための設計などもそこまで必要とならず、素人がオーストラリアの広い土地を使って自由に建築してもいいという風土があります。

現に街中をふらり歩いても数多くのセルフビルダーがセルフビルドをしている光景に出くわします。

そのような状況から、セルフビルドのための道具や材料を入手することも簡単です。

オーストラリアにはオーストラリア版のホームセンターBunnings Warehouse(バニングス・ウェアハウス)というオーストラリア最大手のチェーン店があります。

そこに行けばセルフビルドに必要な一切が手に入りますし、そのために具体的なアドバイスまでくれるプロが1人いるため、本当に誰もが気軽にセルフビルドを始めることができるのです。

アメリカのリノベトレイラー

オーストラリアと同じく、アメリカも古くは開拓国家としてセルフビルドの精神があると言えるでしょう。

特にアメリカの場合は、キャンピングカーやトレイラーを使って旅しながら暮らすということが昔から盛んに行われていたため、いわゆる「モバイルハウス」と呼ばれる種類のリノベーションが盛んに行われています。

例えば、スクールバスを個人で買取それをリノベーションしたものを指す名刺であるskoolie(スクーリー)という言葉があるくらいそれが一般的になっています。

古くからあるAirStream(エアーストリーム)などの個性的なキャンプカーを買い取って、その中をリノベするというのがアメリカでは現在、密かなブームとなっています。

第三国で起こるセルフビルドコミュニティー

上で紹介したように、海外と日本のDIY、リノベーションでいちばん違うものはその土地の環境であり、その環境で育てられた必要性と精神性が大きく関係するでしょう。

しかし、そのような文化的背景とは関係なく、独自にそのようなコミュニティーを作ろうとしているところもあります。

南米ペルーの南部の山あいの町、pachacutec(パチャチュテック)というところではTRS workshop(ティー・アール・エスワークショップ)というチームが主体となり、地域参加型のセルフビルド活動が行われています。

ventanilla module(ベンタニーヤ・モジュール)というコンテナとポリカーボネイトと安価で入手しやすい素材を組み合わせて作った家は、地域住民とともに作成しており、どのように作るのかというメソッドを隠さず、DIYビルディングのコミュニティー形成に重点を置いています。

このように、セルフビルドやDIYがたとえ「文化」化していないとしても、あるグループや会社、または個人により、そこにそのような精神を生むことは可能です。

このような国全体というよりは地域主導の取り組みによるセルフビルドというのは日本も見習うべき点であるということができます。

日本のリノベーション観

では日本ではそう言ったリノベやDIYの取り組みが全くされていないのかというとそうではありません。
例えば山梨県の市川三郷町では古い酒屋の保護のために、それを舞台付きのコミュニティーセンターに改築するなどの動きが起こっています。

しかし、このような動きが起こりつつも、日常レベルでこれが起こっているかというと、まだそうではないと認めざるをえないかもしれません。

あなたが作っていくDIY、リノベーション文化

日本は「伝統芸能、職人の国」であり、私たちの心の中に「家はプロに作ってもらって買うもの」という発想がどこかにあるのではないでしょうか。

もちろん、 自然災害が多く、建築物に対して規制の多い日本で自分でリノベーションやセルフビルドをしていくということはハードルが高いといえるでしょう。

冒頭でも述べたように、条件的には日本でもセルフビルド、セルフリノベのトレンドがあります。

必ずしもそうでなければならないということはありませんが、自分で何か作ってみるということはそれだけで楽しいものですし、自分の生活に適したものを作ることができるので、それだけで人生が豊かになります。

これを機に、まずは簡単なところからDIYやセルフリノベを始めてみてはいかがでしょうか。

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