近年、日本でもリモートワークやテレワークを推奨する企業が増えています。在宅勤務でもオフィスに相当する仕事環境を整えるには、どのようなリフォーム・リノベーションを実施すれば良いでしょうか?今回は在宅勤務がはかどるリフォームについて解説します。
在宅勤務はオフィスに通勤して勤務する場合と異なり、プライベートと仕事のオン・オフの切り替えが難しいものです。
仕事中にテレビの音が聴こえてきたり、作業スペースや収納が足りなかったりと、在宅勤務の不便さを感じることも多いでしょう。またWeb会議が多い場合は、部屋の背景にも気を配る必要があります。
では、在宅勤務でもオフィスに相当する仕事環境を整えるには、どのようなリフォーム・リノベーションを実施すれば良いでしょうか?
在宅勤務用の部屋は「完全個室」か「家族とシェア」か
家の中に在宅勤務用の部屋を作るにあたって、プライベートが確保できる「完全個室」のワークスペースにするか、家族とのつながりを大切にする「家族とシェア」のワークスペースにするかを考える必要があります。
両者のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
完全個室 | 集中して仕事ができるWeb会議で背景を気にしないで済む | リフォームの費用が比較的高い圧迫感を軽減する工夫が必要 |
家族とシェア | リフォームの費用が比較的安くて済むゆったりとしたスペースを確保できる | ワークスペースに生活音やニオイなどが入ってくる場合があるWeb会議の背景に気を配る必要がある |
どちらのタイプのワークスペースを選ぶかは、家の広さや仕事の内容、ご家族との距離感などで判断しましょう。
在宅勤務がはかどるリフォーム例
在宅勤務がはかどるリフォーム例をご紹介します。先ほど解説した基準をもとに、リフォームプランや予算にあったものをご参考になさってください。
間仕切りの設置
<間仕切りにかかる費用の相場>
リフォームの内容 | 間仕切りリフォームの費用の相場 |
アコーディオンカーテンの設置 | 2.5万円~10万円 |
間仕切りドア・ガラス戸の設置 | 15万円~20万円 |
造作壁+引き戸の設置 | 13万円~40万円 |
リビングやダイニングなどに間仕切りを設けることで、ワークスペースを確保するリフォームです。
間仕切りの素材はどれくらいの広さで区切りたいか、どの程度のプライバシーを確保したいかなど、バランスを考慮しながら決めるとよいでしょう。
なお、間仕切りには引き戸や引き込みドアを付けると、仕事をしないときは開放してリビングなどを広く使うことができます。
壁紙クロスの張り替え
<壁紙クロスの張り替えにかかる費用の相場>
リフォームの内容 | 壁紙クロスの費用 |
普及品クロスの張り替え | 1㎡あたり500円~ |
1000番台クロスの張り替え | 1㎡あたり1,000円~ |
黒板クロスの張り替え | 1mあたり1,500円~ |
在宅勤務で仕事に集中するなら、ワークスペースの壁紙は落ち着いた色を選びましょう。
壁紙には大きく分けて普及品(量産品)と1000番台クロスの2種類があります。
前者は賃貸物件の壁紙などに使われる安価なタイプ、後者は1㎡あたりの単価が1,000円以上で消臭機能や防音機能などが付加されたタイプです。
アイデアやメモをまとめたい場合は、チョークで書き込みができる黒板クロスもおすすめです。
二重窓の設置
<二重窓の設置にかかる費用の相場>
1ヶ所あたり5万円~12万円
二重窓は既存の窓に内窓を設置するリフォームで、窓の防音性能や断熱性能が高まります。大きな通りに面した家であれば、二重窓の設置によって外からの騒音対策ができます。また、断熱性能が高まることで冷暖房効率がアップ、光熱費の節約にもつながります。自宅で過ごす時間が長くなることを考えると検討しておきたい項目です。
壁面収納の設置
<壁面収納の設置にかかる費用の相場>
リフォームの内容 | 壁面収納の費用の相場 |
造作収納の取り付け | 25万円~50万円 |
オーダーメイド収納の取り付け | 50万円~100万円 |
壁面収納は壁のスペースを有効利用できるだけでなく、本やアイテムをディスプレイすることでスタイリッシュな空間を演出することができるというメリットもあります。Web会議の背景として、あえて「見せる」壁面収納もおすすめです。
電源・コンセントの追加
<電源・コンセントの追加にかかる費用の相場>
リフォームの内容 | 壁面収納の費用の相場 |
コンセントの増設 | 5,000円~2万円 |
有線LANの増設 | 1ヶ所あたり4.5万円~5万円 |
在宅勤務用のワークスペースにパソコンやディスプレイを置く場合、既存のコンセントから延長ケーブルを引いても良いですが、モノが増えるとどうしてもケーブルがゴチャゴチャしてしまいがちです。
そこで、適切な位置に電源コンセントや有線LANを増設するリフォームをおすすめします。
パソコン、ディスプレイ、スマートフォンの充電、プリンタ、オーディオ機器など、ワークスペースに設置する予定の設備に合わせた分だけ増設しておくと良いでしょう。
まとめ
在宅勤務のワークスペースを新たに設置するリフォームについて解説しました。
理想とする環境を整えるには、施工実績が豊富なリフォーム業者に相談することで、ご家庭の状況や仕事内容に適した方法をアドバイスしてもらえるでしょう。また、複数の業者に見積もりを依頼して、費用やプランを比較検討されることをおすすめします。