ワンちゃんや猫ちゃんを室内で飼っていると、ペットのためのリフォームではリビングを中心に考えがちかもしれません。でも、リビング以外にもペットとの暮らしを快適にできるポイントは多いです。明るい太陽、爽やかな自然の風に触れることが好きなペットの特性にも注目したリフォームのアイデアを集めてみました。
ワンちゃんの運動不足解消に「ドッグラン」

散歩以外でペット達の運動不足の解消に一役買うのが、お庭を利用したドッグランです。
我が家のペットだけのための専用ドッグラン
犬を飼っていると毎日の散歩が欠かせません。犬種の大きさや性質によって散歩の距離や時間は異なるでしょう。大型犬になるほど運動量が必要で、一日何度も散歩に行く飼い主さんも多いかと思います。散歩はもちろん大事ですが、時にはリードを外して太陽の下で自由に過ごさせてあげたいですよね。庭にスペースがあるなら、愛犬専用のドッグランにしてみてはいかがでしょうか。
散歩ができないときの運動不足解消という利用だけでなく、「たくさん体を動かしたい」というアクティブなワンちゃんにもおすすめです。
ペットの脱走への配慮も必要
肉球が傷まない素材を敷いておくと、愛犬も伸び伸び過ごせるでしょう。ただ、庭から外に出てしまうと大変です。脱走対策としてフェンスを設置するなど、安心して遊ばせられる配慮も必要です。
散歩後のお手入れがしやすくなる「サービスヤード」
勝手口から外へ通じるスペースに、屋根を設けたものがサービスヤードです。
散歩で汚れたときも安心
玄関を通らず外への出入りができるので、散歩帰りにサービスヤード経由で家に入ることができて便利です。脇に水栓を取り付けておけば、お散歩終わりの足裏洗いにも重宝します。シャワーやシンクがついたものなら、ペットのシャンプー場所にもなりますね。
また、ペット用品以外にも、自転車置き場やゴミ出し時の通路、DIYの作業場所など、用途のアイデアが広がるスペースです。
爽やかな風が舞い込む「網戸」
網戸がない住まいなら、ペットのために網戸を設置するリフォームはいかがでしょうか。
換気で自然の風を取り入れよう
網戸は、虫を室内に侵入させずに換気ができるアイテムです。エアコンで室内空気が管理されているとは言え、ときどき外から新鮮な空気を入れ替えるのも大事ですよね。それに、掃除で換気が必要なときも重宝します。春や秋など、自然の風が気持ちの良い時期には、ペット達も自然の風で快適に過ごせることでしょう。
安全に利用するにはプロの意見も取り入れて
網戸のメッシュにはさまざまなサイズがありますが、細かいほどに虫が入りにくいメリットがあります。網戸が外れると危なく、猫の場合は脱走経路にもなってしまいます。安全対策はもちろんですが、プロの業者からしっかりとしたものを設置してもらうのをおすすめします。
冬でも温か空間が嬉しい「サンルーム」

開放感のあるサンルームは、ガラス窓から射し込む太陽の光を思いっきり感じられる空間です。
サンルームとは?
「サン(sun=太陽)」という言葉からもイメージできるように、サンルームとは太陽の光を受ける目的で屋根や壁面がガラス張りになった部屋のことです。居室から続いた部屋ではありますが、ガラス張り部分から外の景色が見えるため、屋内と屋外の中間的スペースで「半屋外」とも言えるでしょう。
サンルームは、光を吸収でき、さらに急な雨が降っても取り込まなくてもよいので、洗濯物干し場として利用する人も多いです。
ペットの日向ぼっこスペースとして人気
ペットがいるなら日向ぼっこスペースとしてピッタリです。太陽光を吸収して暖まるので、寒い冬でも「晴れた日」なら、暖房なしでも過ごしやすい空間となります。
サンルームのタイプを考えておく
サンルームには、室内と同じように床を作る「床納まり」、床をなくしてコンクリートの土間にする「土間納まり」というタイプがあります。室内の延長に近い床納まりは、部屋からそのまま出入りできて便利です。一方、土間納まりの場合は、一段下がった部分に造られます。
どちらにしても、お外の雰囲気が好きなペット達にとっては、日向ぼっこができる居心地の良い空間になりそうですね。
もうひとつのリビング「ウッドデッキ」

ペット達の日向ぼっこスペースとして人気なのがウッドデッキです。
飼い主さんも一緒にくつろげる空間
ウッドデッキなら、リビングの掃き出し窓から、そのまま外に出られます。庭とリビングの両方の雰囲気で、愛犬も愛猫もいつでも日向ぼっこができます。
ウッドデッキの端に犬小屋を作ったり、強い日差しを和らげる日よけ屋根を設けたり…などの工夫をすれば、ワンちゃんや猫ちゃんのお気に入りスペースになりそうですね。
大型犬も嬉しい個室的スペース「土間空間」
室内に土間空間を設けるのも、ペット達が喜ぶ工夫のひとつです。
土間とは?
土間とは、タイルやコンクリートなどで仕上げられ、屋内にありながらも靴を履いたまま歩けるスペースです。かつては台所や玄関など作業場として土間が広めに設けられていましたが、最近の住宅では「靴の脱着をする」という目的で玄関部分だけが土間となっているケースが増えています。
夏にはヒンヤリ感に喜ぶペット達
土足でもOKな部分なので、ペット達も過ごしやすい空間と言えるでしょう。玄関の周辺やサンルームなどに土間空間を作っておけば、室内から自由に動けます。暑がりの猫ちゃんなら、ヒンヤリした床に喜び、夏の避暑地になりそうですね。
大型犬のプライベートスペースにもなる
個室っぽくすれば、大型犬専用の個室的スペースにもなるでしょう。屋外でワンちゃんを飼っていても、夏や冬、夜には家のなかで過ごさせたいという飼い主さんもいるかと思います。サンルームを土間仕様にすれば、外に近い感覚で過ごせる空間となりそうです。
温度調整に一役「断熱リフォーム」
エアコン以外のペット達の暑さ・寒さ対策になるのが、住まいの断熱リフォームです。
汗をかきにくいペット達
私たち人間は暑さを感じると、汗をかいて体温をコントロールできます。でも、犬や猫は汗を外に放出するための「汗線」が肉球部分などごくわずかで、暑さが苦手なコが多いものです。
被毛に覆われていても寒さが苦手なコもいる
寒さに関しても注意したいものです。被毛に覆われた犬や猫を見ると「暖かそうだな」と感じますが、一般家庭で室内飼いされているペット達は、常に室内にいるため、「寒さへの耐性」がやや鈍いケースが多いです。人間同様、厳しい寒さの頃には寒さ対策が必要でしょう。
室内の暑さや寒さは、エアコンを使えばコントロールできるものの、そもそも外気温を屋内に伝えにくくするためのリフォームがおすすめです。
「屋根・外壁リフォーム」「二重サッシ」「内窓の取り付け」などにより、暑さや寒さをシャットアウトできるメリットがあります。
まとめ
近ごろのペット事情を見ると、犬も猫も完全室内飼いのケースが多いです。でも、そもそも野生で生きていた犬や猫たちは、家で暮らしながらも「自然」を恋しく思っているかもしれません。日向ぼっこや芝生の上を歩いている姿は、幸せな表情にも見えます。
「愛犬や愛猫」は人間とは体の性質が違うことも理解しつつ、自然を感じられるリフォームにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
それぞれの家庭に合ったベストなプランのため、プロのアドバイスを受け、愛犬・愛猫たちの「嬉しい」を住まいに取り入れてみましょう。