いざという時のための防災リノベーションのポイント

地震や台風、豪雨といった自然災害は、毎年のように起こります。もしもの時に備えて自然災害に強い住宅にしておきたいと考える人は多いでしょう。しかし、実際にどのように対策を取っていけばいいのか分からないと不安なものです。
そこで今回は、いざという時の備えとしてやっておきたい防災リノベーションの考え方について紹介します。

防災リノベーションがなぜ必要?

さまざまな自然災害は、いつ起こるか誰にも予測できません。だからこそ、早めに防災という視点で住宅の内外環境の見直しをしておくことが必要です。

ここ30年の間に国内で起きた大きな自然災害の状況から見て注目されているのは、自然災害の発生によって倒壊した建物の下敷きになった人や中に閉じ込められた人の生存率です。自然災害発生後、寒さや飲まず食わずの状態で過ごした人が生存状態で救助されるのは、災害発生から72時間、つまり3日前後を境に激減することが分かっています。人命救助の現場では「72時間の壁」と言われていて、72時間以内に救出をめざすのが行動の指針となっています。

大規模な自然災害の場合、72時間を超えても救助がこない可能性は大いにあります。ということは、倒壊せずライフラインが確保できる住宅にしておけば生存の可能性を高められると言えるのです。いわば住宅をシェルター化するというイメージですね。
家族の安全を考えれば、リノベーションでは防災という視点も含めて工事内容を検討するのがおすすめです。

防災リノベーションを進める際のポイントとは?

防災リノベーションの目的は、自然災害発生後に救助がくるまで最低限の生活ができる条件が整っていて、住宅内での事故や怪我を極力避けられる住宅にすることです。押さえておきたいポイントを5つご紹介します。

耐震性を高める

建築基準法の耐震基準をクリアしていることは、安全な住宅の条件として必須です。築年数が経っている、木造住宅でシロアリが発生している、大きな窓が1階に多いといった住宅は耐震性が低い可能性がありますので、リノベーションを検討する段階でこうした不安があることを施工会社に相談するといいでしょう。

断熱性を高める

夏季や冬季に自然災害が起きた場合、住宅本体が倒壊していなくても、住宅内の室温が上がったり下がったりすると体力を消耗し、命の危険が高まります。夏場の暑さや冬場の寒さを乗り越えるためには、断熱性を高めて外部の熱や冷気をシャットアウトする機能が欲しいですね。特に高齢者や子供、心疾患など持病がある人が家族にいる場合、ライフラインが寸断された時のことを考えて断熱性を確保しておくことが重要です。断熱工事を検討するサインとしては「室内にいて暑さ寒さなどに対する快適性をあまり感じない」状況になった時です。たとえば普段から窓回りの結露が激しい、エアコンの効きが悪い、日当たりがよくない方角の部屋がいつも寒いといった状況が気になっているなら、リノベーション時に断熱工事を考えておく必要があるでしょう。

ライフラインをカバーする

自然災害が起きてライフラインが寸断された時、復旧する順番がもっとも早いのは電気、次いで水道、ガスです。自然災害の規模によって復旧日数は大きく違いますが、阪神大震災や東日本大震災のような大規模災害の場合は電気が一週間前後、水道が三週間前後かかると言われていますから、せめて数日間は住宅内で電気と水がカバーできる状態にしておきたいものです。

太陽光発電システムや蓄電池、エコキュートといった住宅設備があれば、最低限のライフラインが確保できます。リノベーションを考える際に、ライフライン確保の方法のひとつとして導入を検討してみてはいかがでしょうか。

窓ガラスの安全策を考える

自然災害時の被害として意外と見落としがちなのが、窓ガラスが割れた際の被害の大きさです。地震が起きた時だけでなく、台風で物が飛んできた時などに窓ガラスが割れると、破片が飛び散るため窓に近づけず、窓から脱出することができません。玄関ドアがふさがれていると家の中に閉じ込められる状態になる危険性が高いのです。また、窓枠に多くのガラス片が残っていると、地震であれば次の揺れで再度ガラスが飛散して怪我をする恐れがあります。住宅の中にガラス片が飛散すると踏んでしまって深い切り傷を負うこともあり、手当てを受けにくい自然災害時には深刻な状況になることも考えられます。

飛散防止フィルムを貼ったり、強化ガラスなど割れにくいガラスを選ぶなど、リノベーションの際にあわせて交換を検討するといいでしょう。

家具は一部造り付けも検討する

衣類や本などを置き家具に収納している家庭は多いですが、自然災害が起きた時には転倒する可能性があります。特に背の高いオープン棚タイプの置き家具を使っていると、収納している物が飛び出してくるだけでなく本体の下敷きになる可能性が高いため、かなり危険です。

リビングや寝室といった長い時間を過ごすことが多い場所は、壁面を活用した造り付け収納を設置することも検討しましょう。耐震ラッチ付きの扉をつけていれば中の収納物が飛び出てくることはありませんし、本体が転倒する可能性も少なくなり、住宅内で怪我をする確率が下がります。リノベーションは造り付け収納を導入するのにいい機会ですから、収納プランを考える際にあわせて検討してみましょう。

まとめ

リノベーションというと、間取りを変更したり内装や住宅設備を新しくするといった印象が強いですが、これからは防災という新しい視点を加えると、より住宅の価値がアップします。せっかく行うリノベーションの効果をより高めるために、防災リノベーションの成功ポイントを押さえて計画を進めていってくださいね。

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