使い勝手のいい間取りになる、素敵なインテリアが楽しめるなどさまざまなメリットがあるリノベーション。築年数が経ってきていろんな個所の傷みや汚れが目立ちはじめたことから「うちもリノベーションをしたいな」と考えている人も多いのではないでしょうか。
リフォームよりも大規模な範囲で工事をするリノベーションは、いわば住まいを丸ごと生まれ変わらせるための方法と言えます。その分費用もかかりますから、満足のいく内容にしたいもの。そこで今回は、リノベーションで失敗しないためのポイントを4つの視点からご紹介します。
１．プランニング
リノベーションのメインともいうべき項目は間取りです。リノベーションの場合はリフォームのように一部の壁を取り除いたり移動したりするのではなく、最大規模だと基礎や柱・屋根といった構造部分だけを残して丸ごと解体し新しく一から間取りをつくる工事をします。そのため、「これからこの家でどのように暮らしていきたいのか」ということをしっかり掘り下げた上で間取りを決めていく必要があります。
その際に考慮したいのは、間取りプランに反映したい項目の優先順位です。夫婦二人の世帯と小さな赤ちゃんがいる世帯とでは家に求める機能やデザインが違うように、間取りプランを考える上で優先して取り込みたい要望は世帯によって異なります。普段の暮らし方を間取り図面上でシミュレーションして、家事をする時や来客を案内する時にスムーズな動き方ができるか、無駄になっているデッドスペースはないかなどをしっかりチェックしていきましょう。
２．資金計画
リノベーションの工事範囲は、少なくても住宅全体の半分以上の床面積を対象とするケースがほとんどです。間取り変更に加えて設備機器の交換、内装のやり替え、電気配線や給排水配管の位置変更など多くの工事項目が発生するため、工事費用もけして安くはありません。予算として準備できる金額はどれくらいか、リフォームローンを使うのかどうか、生活資金を確保した上で慎重に検討する必要があります。
リノベーション工事において悩ましいのは、見積前の現場調査で把握できなかった劣化などが見つかること。壁の内部や床下・屋根裏などの劣化は解体しなければ分からず、追加工事が発生することは珍しくありません。こうした追加工事が発生すると工事費用も当然上がりますから、追加工事の内容によっては予算オーバーする可能性もあります。当初の予算組みが変更になる可能性がゼロではないと考えて、余裕をもった資金計画を立てておきましょう。「このくらいで収めたい」という希望金額と、「ここまでなら出せる」という上限金額の両方を計算しておくと慌てません。
３．施工業者選び
リノベーションが成功するかどうかは施工業者にかかっていると言っても過言ではありません。精度の高い現場調査ができる、プランニングの提案力が高い、すぐれた施工技術を持っているなどさまざまな条件が求められますが、こうした条件をクリアできる施工業者はたいていリノベーション工事の実績が多いという特徴があります。
新築工事をメインの事業としている工務店が「リノベーションも対応します」とうたっているケースを見ますが、新築工事とリノベーション工事は似ているようで大きく違います。構造部分から新しく立ち上げる新築工事に対して、リノベーション工事は既存の構造部分を補修し活用しながら住宅内部を作り上げていきますから、既存部分の状態を正確に判断して、的確な対応をとれる判断力と技術を持っている業者でないと満足のいく仕上がりにはなりません。
施工業者選びの際は、リノベーション工事の実績がどれくらいあるのかをよく確認しましょう。
４．アフターメンテナンス
リノベーション後のフォローとして、アフターメンテナンスをどの程度対応してもらえるのかというのはとても大切なポイントです。住宅はずっと住み続けるものですから、工事が終わったのでおしまいというわけではありません。定期的なメンテナンスを含め、どのようにフォローしてもらえるのかについてはよく確認しておきたいですね。
アフターメンテナンスの内容は、工事が完了してから確認するのは手遅れです。工事契約を交わす際にきちんと確認して、その内容も込みで契約しなければ後々メンテナンスが大変になってしまいます。アフターメンテナンスの内容やフォロー期間、チェックの頻度などを担当者に確認して、文書にも残してもらうようにしましょう。
まとめ
より住みやすく快適な住まいをつくる方法のひとつとして行うリノベーションは、その規模や費用、工事期間などチェックすべき項目が多く、多くの労力と時間がかかります。「こうしておけばよかった」といった後悔をしないためにも、計画性を持って進めていくことが大切です。この記事を参考に、失敗しないポイントをきちんと押さえながら進めていきましょう。
