住宅購入と同時にリノベーション（リフォーム）をお考えの人にとって重要なことの一つに、「住宅取得までの流れを把握すること」が挙げられます。依頼する建築会社や工務店、不動産会社によって対応している業務が異なりますので、初めての人では気づかないことも多いでしょう。
そこで、まず「住宅取得とリノベーション」で住宅取得する場合の流れを紹介し、それをもとに、「住宅取得とリノベーション」を一括して不動産会社に依頼する場合とそれぞれ不動産会社と建築会社・工務店に依頼する場合の特徴を解説します。
「住宅取得とリノベーション」の住宅取得の流れ
一般的な「住宅取得とリノベーション」の住宅取得の流れについて紹介します。不動産会社や建築会社・工務店などによって細かい違いはありますが、おおむね下記の図のような流れで手続きが進みます。
＜一般的な住宅取得までの流れ＞
「住宅取得とリノベーション」手続き上の注意点
住宅取得に関する契約である不動産売買契約には「住宅ローン特約（ローン条項）」を付けるのが一般的です。たとえば不動産売買契約締結後、住宅ローンの借入が出来なかった場合、住宅を購入することができなくなります。「住宅ローン特約」が付加していれば、住宅ローンの審査が通らなかった場合には契約はなかったものとなり、手付金等も戻ってきます。金銭消費貸借契約書締結（住宅ローン正式申込）の希望時期に合わせて、事前審査を申し込んでおきます。
「住宅取得とリノベーション」を不動産と建築会社・工務店の依頼をどうするかに限らず、住宅ローンの借入先となる金融機関の手続き内容を知っておかなければなりません。なるべく早めに借入先となる金融機関に確認する方がいいでしょう。参考までに、りそな銀行の商品概要（一部）を紹介しておきます。
・りそな銀行「資金のお使いみち」本人が所有すること、本人（またはご家族）が住む中古住宅の購入資金および購入時におけるリフォーム資金であること
※リフォーム資金については次の条件をすべて満たす必要があります。
①本人が発注するリフォーム工事
②申込時にリフォーム工事額が見積書または工事請負契約書により確認が可能
③物件購入後、６ヶ月以内にリフォーム工事が完了し、工事代金を支払う予定※参考：りそな銀行「商品概要」https://www.resonabank.co.jp/pdf/housing_reform.pdf
基本的に住宅購入とリノベーション（リフォーム）の時期が同時でなければなりませんので、りそな銀行のように「物件購入からリフォーム完成まで６ヶ月以内」と期限を設けています。この点は必ず金融機関に確認しておかなければなりません。
また金融機関の事前審査では見積書が必要となりますので、リノベーション（リフォーム）について考える時間がないと感じる人が多いようです。リノベーション（リフォーム）は物件購入後になりますが、リノベーション（リフォーム）内容は物件検討と同時に行いますので、早めに考えておいた方がよさそうです。物件の状態によってリノベーション（リフォーム）内容は異なりますが、大まかな希望だけは写真など具体的な資料とともにまとめておいた方がいいでしょう。
「住宅取得とリノベーション」を一括して依頼する場合
「住宅取得とリノベーション」を一括して依頼する場合、住宅とリノベーション（リフォーム）の流れを調整する必要はなく、不動産会社に任せることができます。金融機関の手続きに合わせて手続きが進みますので、この点で心配することはないでしょう。
ただ、リノベーション（リフォーム）を依頼する事業者は決められており、価格の比較も難しくなります。希望通りのリノベーション（リフォーム）や価格であれば問題ないですが、物件やリノベーション（リフォーム）の良し悪しは比較してみなければ分からないことが多くあります。
「住宅取得とリノベーション」をそれぞれ個別に依頼する場合
「住宅取得とリノベーション」をそれぞれ個別に依頼する場合、住宅取得までの流れをご自身で調整する必要があります。初めての人は不安になる点かもしれませんが、各事業者としっかりコミュニケーションが取り、何もかもお任せにするのではなく、主体的に動いていれば、基本的に大きな問題にはならないでしょう。
個別依頼のメリットは、お気に入りのリノベーション（リフォーム）事業者を幅広く探せることです。リノベーション（リフォーム）の内容や価格の比較だけでなく、プロからのアドバイスも得ることができますので、時間はかかりますが、納得できる住宅になる可能性は高くなります。
おわりに
リノベーション（リフォーム）事業者や金融機関選びに共通することは比較して検討することです。この記事で紹介した手続きは重要ですが、工事内容、価格、アフターサービスの質などを含めて総合的に検討することをお勧めします。
「住宅取得とリノベーション」を一括して依頼した場合の手続きの分かりやすさは魅力的ですが、最も重要な点は、理想の住宅になるかどうかだと思いますので、住宅探しを早めに開始して、余裕を持って事業者選びができるようにしましょう。
