リノベーションという言葉もすっかり定着した感があります。以前はリフォームと区別がつかないとの声も聞かれましたが、最近ではその理解もかなり進んでいると思われます。
トイレをまるごと換えるといった工事は基本的にリフォームと呼ばれる範疇に入りますが、部屋の内装を全室一新してしまうような大掛かりな工事はリノベーションと分類されます。
また、街中で見かける築40年、50年と経過した古い分譲団地を見かけることがありますが、このような古い分譲団地を購入してリノベーションすることも珍しくなくなってきました。
中古団地を購入してリノベーションを
中古団地に意外な好物件が眠っている
マイホームを購入する決心をした時、一戸建てにするかマンションを選ぶかで悩みますよね。さらには、中古でもいいのではないか、と思う方もいらっしゃるでしょう。
「中古はちょっと・・・」と思う方も多いと思いますが、ここ数年顕著になっているのが、中古マンションを購入してリノベーションするという風潮です。20年前では考えられなかったようなことでしょう。
新築住宅激減の時代へ
これには社会的な問題が深く関係しています。これまでもこれからも、日本では新築物件が激減し、同時に、空き家問題も世間で大きく取り沙汰されています。
このような状況の中、値段もこなれて立地の良い中古団地が注目を集めているのです。とくに好立地な新築マンションの価格高騰が激しい中、手ごろな価格で良い場所に住めるチャンスであると言えます。
リノベーションして住む
JR東北線に蓮田という駅があります。埼玉の大宮市まで10分程度で行ける好立地のため、大宮や都内への通勤者が非常に多い場所なのですが、駅から徒歩15分程度の一戸建てでも5000万円、6000万円という物件がごろごろしています。
ところが、駅前の至便な場所に古い団地があります。建築後50年は経過しているであろう古い団地なのですが、述べたように立地は最高です。駅前に新たに土地を確保してマンションを建てるのは難しい。そもそもそのような立地がありません。
そんな時、仮にこの年季の入った団地に売り物件が出れば、「ここを購入してリノベーションをする」という選択肢が出てきます。
もちろん団地の見かけは非常に古いのでお世辞にも格好いいとは言えないのですが、室内をフルリノベーションすれば、こと住むことに関しては新築同様の快適な暮らしを手に入れることができるでしょう。
東京の一等地に住むこともできる
東京都内の一等地である千代田区。有名な千鳥ヶ淵の傍に出来た高級マンションは「皇居を見下ろす形になる」として物議を呼びましたが、そのお値段は当たり前ですが億を超えています。
ごく一般的な方が購入できるようなマンションではありません。また、原宿や表参道といった土地に建つマンションも、一般の方は簡単には購入できません。
しかし、安いとは言えないものの、このような一等地にも、古いマンションやそれこそ団地という表現がしっくりくるような中古マンションが出ることがあります。
不動産物件情報にこまめに目を通していれば、うまく掘り出し物を発見できるかもしれません。
・中古マンションA
3,000万円+リノベーション費用1,000万円=4,000万円
・新築マンションB
5,500万円
仮に上記のマンションA,Bがほぼ同じ立地に建っていたとしましょう。金額は物件とリノベーションの費用によって変わってきますが、この場合では1500万円の差があります。
つまり、中古マンションを購入してリノベーションすれば、好立地の高価格マンションより安くて快適な生活を手に入れることができるのです。
UR団地に着目してみる
「URであ~る」というキャッチフレーズのテレビCMが流れていますが、これはUR都市公団のことです。URは賃貸物件と分譲物件を取り扱っていますが、古いUR団地物件が今後もどんどん売りに出されてきます。
1960年代~1970年代の物件ならば、ものによっては200万円を切るようなUR団地物件さえ出回っています。
さすがにこの価格の物件は場所が非常に悪く不便なのですが、1,000万円の予算を組めば事情は一変します。東京都内でもそこそこの場所に住むことができます。
1,000万円で購入した中古団地。この物件をリノベーションすれば、室内にいる限りは新築マンションとほぼ変わらない快適な生活を送れるわけです。
まとめ
資金が潤沢にある方であれば、新築の戸建てやマンションを探せば良いと思いますが、少しでも不安がある、価格を低く抑えたいと言う場合は、中古団地に目を付けるというのもありでしょう。
また、購入した中古団地を将来的に売却することになった場合、リノベーション物件になるので高値での売却が期待できます。さらに立地が良ければその期待値はさらに高まります。
いままで中古団地を購入するという選択肢が全く頭になかった方も、リノベーションを含めた資金計画を立てて再検討してみてはいかがでしょう。