エクステリアは、住居の敷地まわりの空間または環境を指す言葉です。その対義語が、室内の空間を表すインテリアです。この記事では、エクステリアという言葉の意味や構成要素、快適にするための工夫などについて解説します。

エクステリアとは、家の外側の空間や環境を指す言葉です。
家の外観を決める要素であり、快適な住まいを実現するためには欠かせない部分です。
この記事ではエクステリアの意味や3つの基本のスタイル、リフォームに失敗しないためのポイントについて解説します。
エクステリアとは? 意味について解説
エクステリア(=exterior)は、住居の敷地まわりの空間または環境を指します。
類似する言葉に「外構」がありますが、こちらは門扉やフェンス、バルコニー、カーポートなど構造物そのものを指す場合が一般的です。
エクステリアには住居まわりの外観を整える装飾性、バリアフリーや防犯などの機能性、そして住人の趣味趣向を反映させる娯楽性が含まれます。
つまり、エクステリアは複数の外構によって構成されると言うことができます。
一方、エクステリアの対義語にあたる言葉がインテリア(=interior)です。
インテリアは室内を装飾する内装材や窓、照明器具、トイレや風呂などの設備関連を指します。
エクステリアを構成する外構
エクステリアを構成する外構について、詳しく解説していきます。
門扉
門扉(もんぴ)とは、住居の敷地の出入口に設けられた門と扉のことです。
訪問者が最初に目にする「住宅の顔」に相当するため、門扉の選び方1つで住宅の印象が大きく変わります。
一方で、住宅の敷地と道路の境界として、家族のプライバシーを守る役割もあります。
門扉の開き方のタイプは、主に「内開き」「外開き」「引き戸」の3種類があります。玄関まわりのスペースや使い勝手に応じて選びましょう。
さらに、門扉の素材には軽量かつ耐久性に優れるアルミ材をはじめとして、アルミ鋳物、鉄製素材、樹脂素材などがあります。
建物の外観はもちろん、外柵やフェンスとも上手くマッチする素材を選びましょう。
門柱
エクステリア・外構における門柱(もんちゅう)とは、玄関先の独立した構造物のことです。
最近ではあえて門を設置せず、表札やインターホン、ポストなどを取り付けた「機能門柱」が増えています。
主な門扉の素材には、木製やレンガ積み、コンクリートブロック、塗り壁などがあります。
建物や家全体の雰囲気にマッチすることはもちろん、利便性・機能性も考えたうえで門扉の素材や取り付ける機能を選びましょう。
フェンス・外柵
フェンス・外柵は住宅の敷地を取り巻く囲いのことです。
敷地と道路との境界線、および家の中のプライバシーを守る目隠しの役割を果たします。
素材はアルミ製や木製、樹脂製のフェンスのほか、樹木を植える生垣(いけがき)やブロック塀、土壁などがあります。
また上部がアルミ製の柵、下部がブロック塀といった組み合わせも多く見られます。
フェンス・外柵は家の外観とマッチすることはもちろん、防犯性も考慮して素材やデザインを選びましょう。
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玄関アプローチ
玄関アプローチは、門扉から玄関までをつなぐ通路を指します。
素材は敷石やレンガ、インターロッキング、タイル、レンガ、砂利などが一般的です。
建物や他の外構とのバランス、歩きやすさ、安全性や防犯性にも配慮して選びましょう。
デッキ
デッキはリビングとほぼ段差なしで作られる、建物から張り出したスペースを指します。
家族のくつろぎの場や子供の遊び場として活用されるため、「第二のリビング」とも言えるでしょう。
ほかにも家の中でアウトドア気分を楽しんだり、洗濯物を干すスペースにしたりと、使い方はさまざまです。
デッキの種類は木の風合いを活かしたウッドデッキや、タイルで作るタイルデッキがあります。
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テラス
テラスは、フランス語由来の言葉で「盛り土」という意味があります。
庭や庭とリビングの境にある場所にタイルやレンガ、木を敷いて作られます。
デッキがリビングの延長であるのに対し、テラスは庭の延長といった位置付けです。
カフェやレストランの「テラス席」をイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか?
テーブルセットを置いて家族のくつろぎの場として、また喫煙場所として、さまざまな用途に使えます。
カーポート・ガレージ
カーポートは屋根と柱だけで構成される簡単な車庫のことです。一方のガレージは、屋根と3方以上の壁で車を格納する建造物を指します。
施工費用はもちろん、確保できるスペースや駐車する台数、積雪量・降雨量などでカーポートにすべきか、ガレージにすべきかが変わります。
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植栽
植栽は庭やアプローチに沿って植えられる樹木や草花のことです。また敷地内に外柵の代わりとして植えられた樹木等も植栽と言います。
ガーデニングとして楽しめるだけでなく、樹木の種類や配置によって個性を演出できます。
ただし、植栽で美しい景観を保つためには、水まきや剪定など定期的なメンテナンスが必須です。
草花の伸び方、開花時期、葉色の変化など、景観に影響を与える要素も把握しておくと良いでしょう。
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エクステリアライト・外灯
外構まわりを照らす照明のことです。
照明の種類や配置により、夜間の家の印象が変わります。また防犯性も考慮して配置すると良いでしょう。
エクステリア3つの基本スタイル
エクステリアには基本となる3つのスタイルがあります。「オープン」「クローズド」「セミクローズド」の3種類です。
ここでは、それぞれのスタイルの特徴やメリット・デメリットを解説します。
オープンエクステリア
オープンエクステリアは門扉や塀を設けず、敷地と道路との仕切りがほとんど無いスタイルです。
家に開放感をもたらし、人や車の出入りがしやすいというメリットがあります。
また3つのスタイルの中でもっとも費用が安く、デザインの自由度も高いため、最近はオープンエクステリアにする方が増えています。
ただし、仕切りをほとんど設けないため、プライバシー保護や防犯の面で工夫が必要です。
クローズドエクステリア
オープンエクステリアとは対象的に、敷地内を門扉やフェンスなどで囲うスタイルです。
庭や1階部分が外からではほぼ見えないため、防犯面ではもっとも安心なスタイルと言えます。
しかし、建物全体が閉鎖的な空間となり、周囲に窮屈さや圧迫感を与える場合もあります。
また施工費用が3つのスタイルの中でもっとも高額になる点もデメリットと言えるでしょう。
セミクローズドエクステリア
セミクローズドエクステリアは、オープンとクローズドの「良いとこ取り」のスタイルです。
オープンより防犯性が高く、クローズドより開放感があるという特徴があります。
敷地全体を低めのフェンスや塀で囲む、車庫を開放するなど、工夫次第で開放感と防犯の両立が可能です。
エクステリアリフォームに失敗しないためのポイント
ここでは、エクステリアのリフォームに失敗しないためのポイントについて解説します。
実用性を重視した配置計画を建てる
エクステリアはインテリアほど普段の生活で触れる機会が少ないものの、快適な住まいに欠かせない家の一部です。
そのため、住人のライフスタイルに合わせた配置計画が重要となります。
玄関からアプローチを通って門扉までの動線、車庫からの車の出し入れなど、あらかじめ綿密に配置計画を立てたうえでリフォームに臨みましょう。
景観と防犯のバランスをとる
エクステリアは家の景観を良くする装飾性と、住人のプライバシーを保護する防犯性のバランスが大切です。
防犯のためにフェンスや外柵を高くすると、かえって窮屈な印象になったり、侵入者に隠れるスペースを与えたりもします。
たとえば、トイレや浴室などは目隠し機能のあるフェンス、デッキ周りは生け垣にするなど、異なる組み合わせでもOKです。
フェンスを低くする代わりにアプローチを砂利にするといった工夫もあります。
長く住む場合はバリアフリーも考慮を
長く住む予定の家をエクステリアリフォームする場合は、将来的にバリアフリーも考慮した計画を立てましょう。
たとえば、アプローチを滑り止め機能のあるインターロッキングにする、玄関ポーチをゆるやかなスロープにするといった工夫があります。
まとめ
エクステリアの意味から構成する要素、エクステリアリフォームのポイントについて解説しました。
装飾性と機能性、そして娯楽性のバランスを考慮して、住まいを快適にする理想のエクステリアを考えましょう。
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