屋根のカバー工法のメリット・デメリットは?費用や工期も解説

屋根は住宅を構成する重要な部分ですが、普段の暮らしの中ではなかなか目にすることがありません。

築後20年以上が経過していたり、強風や雨で屋根が劣化していたりする場合、ただちに屋根のリフォームをおすすめします。

今回は屋根のリフォーム工事のひとつである「カバー工法」に着目、費用や工期、メリット・デメリットを解説していきます。

カバー工法は屋根の6工法のひとつ

屋根の工法には、以下の6種類があります。

①屋根葺(ふ)き替え工事

②屋根重ね葺き工事(カバー工法)

③屋根塗装工事

④漆喰補修工事

⑤棟板金交換工事

⑥雨樋交換工事

カバー工法は、古い屋根の上に防水シート(ルーフィング)と新しい屋根材を重ねるように取り付ける(葺く)工法で、平板なスレート屋根、軽金属屋根であれば、施工することができます。

築後20年以上が経過している場合や、強風や地震等で屋根の不具合が顕著に現れている場合は、カバー工法で屋根をリフォームすることをおすすめします。

カバー工法の費用・工事期間の目安

カバー工法は、既存の屋根材の撤去費用が抑えられるため、葺き替え工事よりも安く、1平米あたり8,000~1万円、プラス足場代20万円が目安です。

屋根の状況や住宅周辺の環境、使用する屋根材によって費用が変動します。

たとえば、野地板(のじいた)が劣化して腐食やカビなど劣化が進んでいる場合は、野地板増し張りが必要となるため、1平米あたり1万2,000円かかります。

カバー工法の工事期間は、天候が良ければ1~2週間ほどで完了します。

カバー工法のメリット

カバー工法で屋根をリフォームすると、以下のようなメリットが得られます。

他の工法よりも工事費用が安い

カバー工法の最大のメリットは、屋根の6工法の中でも工事費用が抑えられることです。

既存の屋根の上に新しい屋根材を重ね付けするだけなので、屋根材の撤去作業が不要で、人件費・廃材処分費がかかりません。

工事期間が短くて済む

既存の屋根や屋根材を撤去する葺き替え工事に比べ、カバー工法は撤去作業や養生作業が不要なため、工事期間が1~2週間、早ければ5日前後でリフォームが完了します。

断熱性・遮音性が向上する

カバー工法で既存の屋根の上から新しい屋根を重ね付けすることで、屋根の厚みが増して断熱効果が高まります。

屋根の断熱性が向上すれば、夏は涼しく、冬は暖かい住宅環境となり、冷暖房効率アップ、光熱費の節約にもつながります。

さらに、屋根の厚みが増して遮音性が高まり、雨音が抑えられることも、カバー工法のメリットです。

選んだ屋根材によっては、耐候性や防水性能の向上にも期待できます。

野地板の結露を防止する

野地板とは、屋根の下地に使われる木製の合板です。

野地板は湿気に弱いため、高温多湿の気候が続く梅雨の時期などは、結露が発生して腐食してしまいます。

カバー工法で断熱材付きの金属屋根を取り付けると、野地板直下の空気の温度が下がり、結露を防止することができます。

アスベスト対策になる

2004年以前の屋根のスレート材には、がんの原因となるアスベスト(石綿)が使用されており、現在も屋根にアスベストが含まれている建物が残っています。

アスベストの処分費用は非常に高額で、撤去作業時もアスベストが飛散しないような対策が必要です。

カバー工法であれば、既存の屋根材を撤去する必要がないため、アスベストを含む屋根材にも対応できます。

カバー工法のデメリット

カバー工法には以下のようなデメリットもあるため、施工前にリフォーム業者によく相談しましょう。

屋根が重くなって耐震性能が若干低下する

カバー工法や既存の屋根の上に新しい屋根を重ねることになるため、単純に屋根の重量が増加します。

屋根が重くなると住宅の耐震性能が若干低下しますが、カバー工法で使われる新しい屋根材は軽金属製が一般的ですので、屋根の重量は昔ながらの瓦屋根の半分程度に抑えられます。

それでも不安な場合は、メーカーや施工業者に相談しましょう。

火災保険が適用されない場合がある

強風による屋根の破損や雨漏りなどが原因で屋根を修繕したい場合に、火災保険を適用したいという考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、火災保険が適用されるのは、「強風や雨漏りなどで屋根が破損する前の状態に戻す」ための工事であって、新しい屋根材を使って見映えを良くするカバー工法は、火災保険が適用されない場合もあります。

屋根のリフォームに火災保険が適用されるかどうかを知りたい場合は、保険に詳しい施工業者に相談しましょう。

まとめ

カバー工法の工事内容や費用、メリット・デメリットについて解説しました。

屋根のリフォームは、「葺き替え工法とカバー工法のどちらにするか」で悩まれる方が多く、前者は費用がかかる分、耐用年数が高く、後者は費用がかからず、工期も短期間で済むのがポイントです。

本記事で解説したメリット・デメリットを参考に、屋根のカバー工法に詳しい業者に相談しましょう。

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